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ジャンピングふるさと 「キッズまちプロ」 まちづくりの主役は小・中学生!町に誇りを持つ次世代を育てる 「キッズまちプロ」 まちづくりの主役は小・中学生!町に誇りを持つ次世代を育てる
「妖精の村イルミネーションプロジェクト」の様子。規模は小さくても、思いのこもった手づくりのぬくもりが伝わる

まちづくりの主役は小・中学生!
町に誇りを持つ次世代を育てる

キッズまちプロ

徳島県中央部にある阿波市西部の阿波町では、住民主導によるまちづくり活動が盛んだ。その中でも一際目を引くのが、小・中学生が積極的に活動する「キッズまちプロ」。自分たちの町をもっとすてきにしたいとの思いで取り組むプロジェクトを取材した。

「キッズまちプロ」の仕掛け人、井原さん(右)と「井原さんの影響で進路を決めた」と話す神木さん

「キッズまちプロ」について

「子どもたちのすてきで楽しいまちづくりプロジェクト」、略して「キッズまちプロ」。阿波市で長年、まちづくりに取り組む「NPO法人あわ・みらい創生社」の代表、井原まゆみさんの呼びかけで、2020年(令和2)4月に誕生した小・中学生のまちづくりグループ。1期生の初期メンバーは11人。「町を変える体験を通じて地域への愛着を持ってほしい」と願う大人たちのサポートのもと、公園の整備や地域のマップづくりなど、さまざまな活動に取り組んでいる。

「イルミネーションがない」
なら、つくろう!

昨年12月15日、阿波市阿波町の「妖精の村」で、2回目となる「妖精の村イルミネーションプロジェクト(以下:イルミネーションプロジェクト)」の点灯式が行われた。ハンドベルの演奏とカウントダウンが終わると、一斉に色とりどりのイルミネーションが灯る。点灯式で司会や演奏を行ったのは、小・中学生で構成されるグループ「キッズまちプロ」の2期生たち。昨年9月に、それまで活動してきた1期生からのバトンを受け継いだグループだ。

舞台となった「妖精の村」は、森の中に木製の小屋や図書館などが点在する公園。地域の住民グループ「まちづくり未来会議」と「あわ・みらい創生社」が、子どもたちの遊び場として長い年月をかけ整備を続けている。「キッズまちプロ」1期生も結成以来、大人に混ざって鳥の巣箱づくりや花植え、芝生張りなどを手伝ってきた。イルミネーションプロジェクト始動のきっかけとなったのは、2023年(令和5)2月に開かれた”「妖精の村」をもっとすてきにするためのワークショップ”。そこで飛び出した「冬の風物詩のイルミネーションが自分たちの町にはない、見に行くのも遠い」という意見から「妖精の村」にイルミネーションを飾ろうという案が浮上。「キッズまちプロ」設立時から活動してきた、1期生の中学2年生たちが中心となりプロジェクトを企画した。

LEDグラスの作り方を学び、自分たちの手で一つひとつ製作。森の中を案内するように点在する
小屋の前にあるイルミネーションプロジェクトの支援者への感謝を記した看板

まちづくりを次の世代へ
つなげていくために

イルミネーションには多額の費用がかかることを知った子どもたちは、イベントでのジェラートやドライフラワーの販売、募金箱の設置などで資金を集めるとともに、200個のLEDグラスを全員で手作り。さらにライトを購入するため、クラウドファンディングにも挑戦した。また、活動が新聞などに取り上げられると「キッズまちプロ」に参加したいという仲間も集まった。そんな子どもたちの熱意に賛同した「まちづくり未来会議」のメンバーが協力して設営を行い、初めてのイルミネーションプロジェクトは成功した。春になり、1期生の多くが受験の時期を迎えたことから、2期生にバトンを渡そうと決意。活動を受け継いだのは、小学5年生の太田さんら小・中学生9人。思いを受け継ぎ活動する中で「この冬も妖精の村をイルミネーションで飾ろう」と企画し、点灯式当日を迎えた。

「キッズまちプロ」活動の縁の下には「あわ・みらい創生社」代表の井原さんをはじめ、阿波町で長年まちづくりに取り組んできた大人たちの存在がある。「大人は少し手伝うだけ。あとは子どもたちが町のことを考え自発的に動くようになります」と井原さんは話す。高校生、大学生の世代を巻き込むのも忘れない。「キッズまちプロ」をサポートしてきた阿波高校3年生の神木梨乃さんは「井原さんのように町を支える人になりたい」と地域について学べる大学に進学を決めた。大学卒業後は阿波市に戻り地域活性化に関わりたいと目を輝かせる。「まちづくりに関わる人を増やしたい」という井原さんらの熱意は、まちづくりの後継ぎとなる若者や子どもたちに確実に届いている。

イルミネーションプロジェクト点灯式の様子。キッズまちプロ2期生の4人と高校生、大学生が進行を担った
点灯式の準備をする2期生。別の小学校に通うメンバーとの交流も活動が楽しい理由
小学生の頃から活動を続けてきた1期生
前列は阿波高生3人と2期生の4人。後列右端は「妖精の村」を整備してきた「まちづくり未来会議」代表の丸若祐二さん

お問い合わせ

キッズまちプロ(NPO法人あわ・みらい創生社)
住所 徳島県阿波市阿波町四歩一55
電話番号 090-2896-0074
Facebook https://www.facebook.com/people/NPO法人-あわみらい創生社/100064346395447/