平成14年4月10日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成14年3月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成14年2月分他)について
平成14年3月に、当社から愛媛県・伊方町に通報連絡した事象は以下の3件です。
これらの事象は、いずれも法律・通達に基づく報告事象に該当するものではなく、また、プラントの運転や環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 発生月日 発表月日
1. 伊方1号機湿分分離加熱器Aの加熱管漏えいについて 3月14日 ─
2. 伊方発電所における地震感知について 3月25日 ─
3. 伊方3号機復水器ボール洗浄装置ボール循環ポンプBの不具合について 3月31日 ─
平成13年12月および平成14年2月に伊方発電所において発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日
1. 伊方1号機復水流量計測用配管元弁溶接部近傍からの漏えいについて 12月26日 1月10日
2. 伊方2号機主給水ポンプ2Aミニマムフロー弁駆動用空気配管からの漏えいについて 2月4日 3月11日
3. 伊方1号機第2低圧給水加熱器B号機伝熱管の不具合について 2月14日 3月11日
4. 伊方発電所エタノールアミン排水処理装置の不具合について 2月22日 3月11日
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年3月分)
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年2月分他)
以 上
1.伊方1号機湿分分離加熱器Aの加熱管漏えいについて伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年3月分)
3月14日11時頃、定期検査中の1号機において、湿分分離加熱器Aの真空引きによる漏えいテストを実施中のところ、加熱管1本に漏えいのあることが確認された。
湿分分離加熱器 高圧タービンを駆動して排気された蒸気の湿分を除去し、さらに主蒸気で加熱する機器
2.伊方発電所における地震感知について3月25日22時58分頃、伊予灘で地震が発生し、伊方発電所においても6ガルを観測したが、1,2,3号機とも異常はなく、2,3号機は安全に運転を継続した。
(1号機は定期検査中)
(参 考) 伊方発電所の観測ガル数 ・1号機:6ガル
・2号機:6ガル
・3号機:4ガル
3.伊方3号機復水器ボール洗浄装置ボール循環ポンプBの不具合について3月31日15時38分、定格出力にて運転中の伊方3号機において、復水器ボール洗浄装置の異常を示す信号が発信し、同装置のボール循環ポンプBが自動停止した。
現在、当該ポンプを点検中である。
ボール洗浄装置 復水器細管に冷却水(海水)を通水した状態で、復水器の伝熱性能を維持するために細管内面を洗浄する装置。スポンジボールを1日1回復水器細管内部に通し、内面に付着する海生生物等を除去・清掃している。
ボール循環ポンプは、このスポンジボールを循環させるためのポンプ。
1.伊方1号機復水流量計測用配管元弁溶接部近傍からの漏えいについて伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年2月分他)
○事 象
平成13年12月26日15時10分頃、定格出力にて運転中の伊方1号機において、復水流量計測用配管元弁の溶接部近傍からの漏えい(約1滴/秒)を巡視点検中の保修員が発見した。漏えいが微少なものであることから、充てん材による補修を行い、現在実施中の第20回定期検査において、点検・修理を行うこととした。
今回の定期検査で当該部(ステンレス製)の点検を行った結果、貫通したひびが確認されるとともに、そのひびに塩化物応力腐食割れの特徴と塩素の付着が認められた。○原 因
当該部は、海岸近くの屋外脱気器エリアに設置されており、また運転中は塩化物応力腐食割れが発生する温度域であることから、海塩粒子の混入による塩化物応力腐食割れが発生し、漏えいに至ったものと推定される。
○対 策
- 当該部および前後の弁・配管を取り替え、外表面の塗装を実施した。
- 1号機の当該部と同様な条件下にあるステンレス製の弁・配管表面について、本定期検査中に点検を実施するとともに、純水拭き後、外表面の塗装を行う。
- 1号機脱気器周りについては、本年度中を目途に囲いを設け、海塩粒子の混入を極力防止する。
- 2,3号機を含む屋外のステンレス製配管・弁については、計画的に塗装を実施する。
2.伊方2号機主給水ポンプ2Aミニマムフロー弁駆動用空気配管からの漏えいについて○事 象
2月4日21時20分頃、定格出力にて運転中の伊方2号機において、主給水ポンプAミニマムフロー弁駆動用空気配管から空気が漏れているのを運転員が発見した。
点検の結果、主給水ポンプAミニマムフロー弁の空気供給調整器出口継ぎ手部分の配管拡管部に割れが確認されるとともに、破面に疲労による損傷の特徴が認められた。○原 因
主給水ポンプAミニマムフロー弁駆動部の振動が当該空気配管に伝播し、残留応力が大きく振動による応力が集中する拡管部において疲労による損傷(割れ)が発生し、漏えいに至ったものと推定される。
○対 策
- 当該空気配管を新品に取り替えた。
- 2号機主給水ポンプミニマムフロー弁3台について、駆動部の振動の影響を軽減するため、当該空気配管をフレキシブルチューブに取り替える。
- 当該部を含む同様な継ぎ手が使用されている2号機の12台の空気作動弁については、次回定検において、拡管部のないスウェージロック・チューブ継ぎ手に取り替える。
3.伊方1号機第2低圧給水加熱器B号機伝熱管の不具合について○事 象
第20回定期検査中の伊方1号機において、第2低圧給水加熱器Bの真空リークテストを実施したところ、2月14日、伝熱管1本に漏えいが認められた。
詳細調査の結果、漏えいの認められた伝熱管のU字管部にへこみ状の微小な傷が認められた。○原 因
過去の事例から、給水加熱器製造工程における伝熱管挿入作業において、U字管外面に打痕(へこみ)が生じ、そのへこみ部を起点に応力腐食割れが発生し、貫通したものと推定される。
○対 策
- 当該伝熱管を施栓した。
- U字管部の渦流探傷検査の結果、施栓基準以上の信号が検出された伝熱管9本についても施栓した。
4.伊方発電所エタノールアミン排水処理装置の不具合について○事 象
平成14年2月22日4時25分、処理運転中のエタノールアミン排水処理装置において、「電解槽電圧A系高」の信号が発信し、同装置が自動停止した。
点検の結果、A系電解槽電極板のめっきが消耗していることが確認された。なお、A系電解槽の累積使用時間は1万4千時間であった。(電極板の取替目安は1万5千時間)○原 因
電極板は電流を一定量流していることから、運転時間の経過に伴うめっきの消耗により、電圧が徐々に上昇して設定電圧に達したため、自動停止したものと推定される。
○対 策
- A系すべての電解槽12槽の電極板を新品に取替えた。
- 電極板の取替基準について、これまでの累積運転時間に加え、電圧値による管理を行い、電圧値の推移および累積運転時間に応じて取替を実施する。
電解槽
電極版(陽極)
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