平成14年5月10日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成14年4月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成14年3月分他)について
平成14年4月に、当社から愛媛県・伊方町に通報連絡した事象は以下の4件です。
これらの事象は、いずれも法律・通達に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 発生月日 発表月日
1. 伊方発電所における地震感知について 4月6日 ─
2. 伊方1,2号機放水口水モニタの指示上昇について 4月11日 ─
3. 伊方3号機復水脱塩装置再生用水ポンプ出口配管フランジ部からの漏えいについて 4月17日 ─
4. 伊方1号機原子炉格納容器サンプの水位上昇について 4月18日 4月19日
平成14年2月および3月に伊方発電所において発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日
1. 伊方2号機高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力の低下について 2月11日 3月11日
2. 伊方3号機主給水制御弁制御装置の故障について 2月13日 3月11日
3. 伊方1号機湿分分離加熱器A号機加熱管の不具合について 3月14日 4月10日
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年4月分)
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年3月分他)
以 上
1.伊方発電所における地震感知について伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年4月分)
4月6日1時57分頃、愛媛県南予地方で地震が発生し、伊方発電所においても8ガルを観測したが、1,2,3号機とも異常はなく、2,3号機は安全に運転を継続した。(1号機は定期検査中)
(参考) 伊方発電所の観測ガル数 1号機:7ガル
2号機:8ガル
3号機:6ガル
2.伊方発電所第1,2号機放水口水モニタの指示上昇について4月11日20時40分、伊方1,2号機放水口水モニタの指示が上昇し、「10分平均注意」の信号が発信した。
当時、発電所周辺は継続的に雨が降っており、また、同日21時00分、放水口海水を採取して分析した結果、人工核種は検出されなかったことから、降雨による自然変動と判断した。
(参考) 1,2号機放水口水モニタ 1,2号機放水口内の海水の放射線量を測定しているモニタ。3号機にも同様の放水ピット水モニタがある。
3.伊方3号機復水脱塩装置再生用水ポンプ出口配管フランジ部からの漏えいついて4月17日9時00分頃、通常運転中の伊方3号機において、復水脱塩装置の再生用水ポンプ出口配管フランジ部から漏えいがあることを運転員が確認した。
点検の結果、当該フランジパッキンが損傷していることが確認されたため、取替を実施した。
(参考) 復水脱塩装置 2次冷却水に含まれるイオン状の不純物等をイオン交換樹脂にて取り除き、浄化する装置。イオン交換樹脂は定期的に再生を実施しており、再生用水ポンプは再生時に洗浄水等を供給するポンプ。
4.伊方1号機格納容器サンプの水位上昇について第20回定期検査中(1次冷却系統昇温・昇圧中)の伊方1号機において、4月18日17時21分頃から格納容器サンプBの水位上昇を示す信号が発信し、1次冷却材が同サンプに流入していることを確認した。また、同日17時33分、1次冷却材ポンプAの軸振動が大きいことを示す信号が発信したため、直ちに当該ポンプを停止した。
各部を調査した結果、1次冷却材配管ドレン弁のシート漏れと判断されたため、同弁を増し締めし、同日20時00分、1次冷却材の同サンプへの流入が停止していることを確認した。
(平成14年4月19日発表済み)
本事象は、当該ドレン弁の増し締め時期が遅れたことから、1次冷却系統の昇温・昇圧に伴う当該ドレン弁の温度上昇により、シート部に微小な隙間が生じたため、1次冷却材が流出したものと推定した。
また、流出した1次冷却材は、格納容器冷却材ドレンタンクから
・一部は1次冷却材ポンプAの軸封部へ逆流し、この影響で同ポンプの軸振動が増加、
・一部は同ドレンタンクの逃がし弁から原子炉格納容器サンプBに流入
したものと推定した。
当該ドレン弁および1次冷却材ポンプAの軸封部等については点検を行い、異常のないことを確認するとともに、念のため当該ドレン弁の弁体および1次冷却材ポンプAの軸シールを取り替えた。
今後、当該ドレン弁については、トルクによる締め付け管理を行うとともに、1次冷却系の昇温・昇圧途中段階でも増し締めを実施することとした。
(平成14年4月26日発表済み)
1.伊方2号機高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力の低下について伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年3月分他)
○事 象
2月11日18時20分頃、定格電気出力にて運転中の伊方2号機において、高圧タービンエンドウォール加熱蒸気圧力の指示(高圧タービン出口圧力との圧力差)が低下しているのを中央制御室で監視中の運転員が発見した。
当該蒸気圧力を制御している圧力制御弁(空気作動)を点検した結果、開度調整器構成部品のパイロットリレーに極微量の付着物が認められた。この付着物は、部品製造時または現地での点検作業時に混入する可能性のある金属屑であることが確認された。○原 因
当該制御弁の開度調整器内のパイロットリレーに微細な金属屑が混入したことにより制御不調となり、圧力低下に至ったものと推定される。
○対 策
- 当該開度調整器のパイロットリレー、フラッパーを新品に取り替えた。
- 今後、同型の開度調整器の点検において、取り替えとなるパイロットリレーを購入する際には、出荷前に空気清掃による金属屑除去を実施するよう製造メーカに指示することとし、その旨を購入仕様書に明記する。さらにパイロットリレーを開度調整器に組み込む際には、再度空気清掃を行うこととし、その旨を作業要領書に反映する。
2.伊方3号機主給水制御弁制御装置の故障について○事 象
2月13日13時24分、定格電気出力にて運転中の伊方3号機において、中央制御室に「原子炉制御系計器ラック入出力故障」の信号が発信し、蒸気発生器3Aの水位を制御している主給水制御弁3Aの制御が「自動」から「手動」に切り替わった。
現地調査の結果、主給水制御弁3A制御装置の制御出力カードの故障が確認されるとともに、その後、当該カードを詳細点検した結果、IC(集積回路)の1つに不良が認められた。○原 因
当該カードに使用しているICの故障により、自己診断エラーが発生したため、主給水制御弁3Aが「自動」から「手動」に切り替わったものと推定される。
○対 策
- 当該制御出力カードを予備カードに取り替えた。
- これまでと同様に、定検時に制御出力カードの特性試験を行い健全性を確認するとともに、運転中のカード故障に対応するため予備カードを常備しておく。
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3.伊方1号機湿分分離加熱器A号機加熱管の不具合について○事 象
第20回定期検査中の1号機において、湿分分離加熱器A号機の真空リークテストを実施中のところ、3月14日、加熱管1本に漏えいが認められた。
点検の結果、直管部からU字管部にかかる箇所(最終管支持板付近)に円周方向の微小な傷が認められた。○原 因
過去の事例から、加熱管が最終管支持板に拘束され、運転時の熱膨張による伸びが拘束されて当該部に引張応力がかかり、プラントの起動・停止に伴い、繰り返し応力となって当該部に集中し、貫通に至ったものと推定される。
なお、加熱管の拘束の原因としては、加熱管出入口の温度差による加熱管上下の熱膨張量の差による変形等が考えられる。○対 策
- 当該加熱管について施栓を実施した。
- 当該加熱管周辺の4本についても、念のため、施栓を実施した。
なお、湿分分離加熱器A号機の施栓本数は合計10本であるが、性能維持に必要な許容施栓本数(約140本)に対して十分小さい値である。
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