平成14年5月29日
四国電力株式会社
「伊方発電所のアクシデントマネジメント整備報告書」および
「アクシデントマネジメント整備有効性評価報告書」の提出について
当社は、平成4年、原子力安全委員会及び通商産業省(当時)からの要請を受け、平成6年3月、伊方発電所のアクシデントマネジメント整備の方針を取りまとめた「アクシデントマネジメント検討報告書」を、通商産業省に提出いたしました。(平成6年3月31日発表済み)その後、当社では、伊方発電所におけるアクシデントマネジメントの整備を順次進め、平成11年9月までに完了するとともに、整備したアクシデントマネジメントの有効性について評価を進めてまいりました。
このほど、その評価結果がまとまりましたので、本日、整備内容及びその有効性の評価についてとりまとめた題記報告書を、経済産業省原子力安全・保安院に提出いたしました。当社といたしましては、今後ともこのような活動を通じて原子力発電所の安全性に対する社会のより一層の理解と信頼を得られるよう、継続して努力して参ります。
(別紙)1.「伊方発電所のアクシデントマネジメント整備報告書」の概要
伊方発電所において、以下のアクシデントマネジメント整備を実施した。
- 炉心および格納容器の健全性を維持するための安全(「停める−冷やす−閉じ込める」)機能、およびそれをサポートする機能を向上させるための有効な方策について、必要な設備改造を実施した。
(添付資料−1参照)
- アクシデントマネジメントが必要となる状況において、中央制御室の運転員を支援するため、通報連絡、技術評価、放射線測定等を実施する支援組織を設置した。
(添付資料−2参照)
- 運転員および支援組織用に操作手順等を記載したマニュアル類を作成、整備した。
(添付資料−3参照)
- 運転員および支援組織の要員を対象とした教育訓練プログラムを作成し、定期的に実施している。
2.「アクシデントマネジメント整備有効性評価報告書」の概要我が国の原子力プラント(加圧水型原子力発電所)について、アクシデントマネジメント整備を考慮して確率論的安全評価を行った。
その結果、アクシデントマネジメント整備は、既に現実的に起こりえないくらい小さい値である炉心損傷、格納容器破損の発生頻度をさらに低減させており、プラントの安全性向上に有効であることを確認した。(添付資料−4参照)
以 上
添付資料−1:主なアクシデントマネジメント対策工事の概要
添付資料−2:アクシデントマネジメントの実施組織
添付資料−3:アクシデントマネジメント関連手順書類の構成概要
添付資料−4:アクシデントマネジメント整備の有効性
主なアクシデントマネジメント対策工事の概要
○伊方1,2号機
- 炉心冷却機能の維持
1次冷却材漏えい事故時に、格納容器内に溜まった冷却水を炉心に再度注入するための再循環注入系が不調の場合を想定して、代替の再循環ポンプおよび炉心への注入配管を設置。(下図@)
- 格納容器健全性の維持
1次冷却材漏えい事故時に、高温の水蒸気により格納容器の内圧が上昇することを防止するための格納容器スプレイ系が不調の場合を想定して、消火用水を格納容器内に注水できる配管を設置。(下図A)
○伊方3号機
- 炉心冷却機能の維持
1次冷却材漏えい事故時に、格納容器内に溜まった冷却水を炉心に再度注入するための再循環注入系の隔離弁が不調の場合を想定して、バイパス弁を設置。(下図@)
- 格納容器健全性の維持
1次冷却材漏えい事故時に、高温の水蒸気により格納容器の内圧が上昇することを防止するための格納容器スプレイ系が不調の場合を想定して、消火用水を格納容器内に注水できる配管を設置。(下図A)
アクシデントマネジメントの実施組織
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アクシデントマネジメント関連手順書類の構成概要
(参考)設計基準事象
原子炉施設の安全設計に当たって、起こり得る多岐にわたる異常事象を限られた数の事象で包絡し、その安全評価解析によって一般公衆や従事者の安全が確保されることを示すために選定された事象。
我が国では「安全評価指針」において、加圧水型原子力発電所では「運転時の異常な過渡変化」14事象、「事故」9事象が選定されている。
アクシデントマネジメント整備の有効性
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参考 2ループ:蒸気発生器が2基あるプラント(伊方1,2号機が該当) 3ループ:蒸気発生器が3基あるプラント(伊方3号機が該当) 4ループ:蒸気発生器が4基あるプラント
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