平成14年6月10日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成14年5月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成14年4月分他)について
平成14年5月に、当社から愛媛県・伊方町に通報連絡した事象は以下の1件です。
本事象は、法律・通達に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方3号機 第1低圧給水加熱器A号機伝熱管の不具合について 5月31日 ─
平成14年3月および4月に伊方発電所において発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日
1.伊方3号機 復水器ボール洗浄装置ボール循環ポンプBの不具合について 3月31日 4月10日
2.伊方3号機 復水脱塩装置再生用水ポンプ出口配管フランジ部からの漏えいについて 4月17日 5月10日
3.伊方1号機 定期検査中の原子炉格納容器サンプ水位上昇について 4月18日 4月19日
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年5月分)
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年4月分他)
以 上
1.伊方3号機 第1低圧給水加熱器A号機伝熱管の不具合について伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年5月分)
5月31日14時頃、第6回定期検査中の伊方3号機において、第1低圧給水加熱器A号機伝熱管の真空引きによる漏えいテストの結果、伝熱管1本に漏えいのあることを確認した。
このため、現在、詳細調査を実施中である。給水加熱器
タービンの蒸気により、蒸気発生器への給水を加熱する機器。
1.伊方3号機 復水器ボール洗浄装置ボール循環ポンプBの不具合について伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年4月分他)
○事 象
平成14年3月31日15時38分、定格電気出力にて運転中の伊方3号機において、復水器ボール洗浄装置ボール循環ポンプBの異常を示す信号が発信し、当該ポンプが自動停止した。
当該ポンプを分解点検した結果、インペラと主軸の嵌め合い部で主軸が折損しており、破面に疲労損傷の特徴が認められた。○原 因
ポンプ組立時、インペラを主軸に焼きばめする際、異物の混入などにより主軸外周面に傷が発生し、その後、ポンプの運転による繰り返し応力が作用し、傷を起点として疲労損傷に至ったものと推定される。
○対 策
- 折損した主軸および摺動跡の認められたウエアリングについては、新品に取り替えた。インペラについては、摺動跡の修正加工を行った。なお、これらの部品については、念のため、現在実施中の3号機第6回定期検査にて新品に取り替える。
- 今後、機器点検後の組立作業において、焼きばめ作業を実施する場合には、嵌め合い部の異物確認を十分に行うこととし、その旨を作業要領書に記載する。
2.伊方3号機 復水脱塩装置再生用水ポンプ出口配管フランジ部からの漏えいについて○事 象
平成14年4月17日9時00分頃、通常運転中の伊方3号機において、復水脱塩装置再生用水ポンプ出口配管フランジ部より2次系純水が漏えいしていることを運転員が確認した。
点検の結果、当該フランジパッキン(天然ゴム製)に貫通した割れが認められた。また、当該フランジについては、復水脱塩装置の試運転開始(平成5年6月)以降、パッキン取替を実施していなかった。○原 因
パッキン外周部のゴムの劣化により生じた割れが、運転に伴い内部へ進展し、貫通したことにより、漏えいに至ったものと推定される。
○対 策
- 当該フランジパッキンを新品に取り替えた。
- 当該系統配管については、今後とも定期的な巡視による目視点検を実施し、必要に応じて補修を行う。
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3.伊方1号機 定期検査中の原子炉格納容器サンプ水位上昇について○事 象
第20回定期検査中(1次冷却系統昇温中)の伊方1号機において、4月18日 17時21分、原子炉容器フランジリークオフラインの温度高の信号が発信、17時23分、格納容器サンプBの水位上昇を示す信号が発信した。
また、同日17時33分、1次冷却材ポンプAの軸振動が大きいことを示す信号が発信したため、直ちに当該ポンプを停止した。
各部を点検した結果、ループAドレンライン弁シート部からの漏えいと判断されたため、同弁を増し締めし、同日20時頃、漏えいが停止したことを確認した。○原 因
当該弁は、前回の定期検査時に取り替えているが、取替前の弁に比べ、温度上昇による影響を受けやすい傾向があることが確認された。このため、1次冷却系統の昇温に伴う当該弁の温度上昇により、従来の弁より早めにシート部に微小な隙間が生じ、増し締め時期が遅れ、漏えいに至ったものと推定される。
漏えいした1次冷却材は、格納容器冷却材ドレンタンクに流入後、同タンクの逃がし弁動作により、一部が格納容器サンプBに流入したものと推定される。
また、一部は、同タンクから1次冷却材ポンプAの軸封部へ逆流し、この影響で同ポンプの軸振動が増加するとともに、その途中に接続されている原子炉容器フランジリークオフライン温度検出部の温度が上昇したものと推定される。○対 策
- 当該弁2台および同様な条件下にあるループBドレンライン弁2台について、昇温昇圧の各段階において、トルクレンチによる増し締めを行うこととし、要領書およびチェックシートを作成した。
- 本事象により、高温の1次冷却材の影響を受けた配管、機器について点検を行い、異常のないことを確認した。
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