平成14年8月12日
四国電力株式会社
伊方発電所における通報連絡事象(平成14年7月分)および
通報連絡事象に係る報告書の提出(平成14年6月分他)について
平成14年7月に、当社から愛媛県・伊方町に通報連絡した事象は以下の3件です。
本事象は、法律・通達に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 発生月日 発表月日1.伊方2号機 高圧注入ライン流量計の不具合について 7月6日 7月6日2.伊方2号機 1次系補給水ポンプの不具合について 7月9日 7月10日3.伊方3号機 海水淡水化装置濃縮海水排水ポンプの不具合について 7月24日 −
平成14年5月および6月に伊方発電所において発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 発生月日 発表月日1.伊方3号機 第1低圧給水加熱器A号機伝熱管の不具合について 5月31日 6月10日2.伊方2号機 格納容器排気筒ガスモニタのフィルタ目詰まりについて 6月20日 6月21日3.伊方1号機 海水電解液注入配管からの漏えいについて 6月28日 7月10日
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年7月分)
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年6月分他)以 上
1.伊方2号機 高圧注入ライン流量計の不具合について伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成14年7月分)
7月6日9時頃、通常運転中の伊方2号機において、通常ゼロである高圧注入ラインの流量計指示が約100m3/hを示していることを、中央制御室の運転員が確認した。
調査の結果、流量に応じた電気信号を発生する流量検出器の不良であることが確認されたため、当該検出器を予備品に取り替えた。
[高圧注入ライン] 1次冷却材喪失などの事故が起きたとき、高圧注入ポンプで炉心にほう酸水を注入するライン。通常、水の流れはない。
2.伊方2号機 1次系補給水ポンプの不具合について7月9日20時32分、通常運転中の伊方2号機において、1次系補給水ポンプBの故障を示す信号が発信し、当該ポンプが自動停止した。
調査の結果、インペラとケーシングの接触痕およびインペラを固定するボルトの損傷が認められたため、接触痕を補修するとともに損傷したボルトを取り替えた。
[1次系補給水ポンプ] 1次系各機器に純水を供給しているポンプ。通常運転中は、主に1次冷却材のほう素濃度を調整するための補給水を供給している。
3.伊方3号機 海水淡水化装置濃縮海水排水ポンプの不具合について7月24日7時11分、第6回定期検査調整運転中の伊方3号機において、海水淡水化装置の異常を示す信号が発信し、確認したところ濃縮海水排水ポンプA(常用ポンプ)が自動停止していた。
調査の結果、当該ポンプ本体に異常はなく、常用ポンプの起動・停止を制御している濃縮海水槽の水位スイッチが、ヘドロ状の付着物により作動不良となっていることが確認されたため、水位スイッチの点検、清掃を行った。
[濃縮海水排水ポンプ] 海水から淡水を取り出した後に残った濃縮海水(塩分濃度の高い海水)を排水するためのポンプ。濃縮海水は一度濃縮海水槽に貯められ、ポンプにて排水される。ポンプは2台あり、常用・予備を毎月切り替えている。
1.伊方3号機 第1低圧給水加熱器A号機伝熱管の不具合について伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年6月分他)
○事 象
平成14年5月30日〜31日、第6回定期検査中の伊方3号機において、第1低圧給水加熱器A号機伝熱管全数の真空リークテストを実施したところ、伝熱管1本に漏えいが認められた。
調査の結果、当該管の出口側管板部に周方向の割れが認められた。○原 因
給水加熱器製造工程において、伝熱管外面に変形を生じたことによる残留応力とプラント起動時の腐食環境により、変形部分を起点に応力腐食割れが発生し、貫通に至ったと推定される。
○対 策
- 漏えいの認められた伝熱管1本について施栓を実施した。
2.伊方2号機 格納容器排気筒ガスモニタのフィルタ目詰まりについて○事 象
平成14年6月20日5時35分、通常運転中の伊方2号機において、中央制御室に「プロセスモニタ故障」の警報が発信し、放射線監視盤を確認したところ、予備の格納容器排気筒ガスモニタ(R−34)の測定用空気を供給している真空ポンプが停止していた。その後の調査中、同じ箇所を測定している常用のモニタ(R−24)についても同様に真空ポンプが停止していた。
調査の結果、両モニタの吸込口に取り付けているフィルタに汚れが認められた。○原 因
通常運転中、2号機格納容器排気筒内は流れがないことから、外気の塵埃が排気筒内に浸入、滞留しやすく、当該両モニタのフィルタは目詰まりしやすい傾向にある。
本事象発生時は、定期的なフィルタ取替周期の末期であり、ある程度の詰まりがあったところに降雨等の環境変化が重畳して必要な空気流量が確保できなくなり、真空度高にて真空ポンプが自動停止したものと推定される。○対 策
- 当該両モニタの入口フィルタを新品に取り替えた。
- 当該両モニタの入口フィルタの取替頻度を1回/月から2回/月に変更することとし、作業要領書を改訂した。
3.伊方1号機 海水電解液注入配管からの漏えいについて○事 象
平成14年6月28日11時50分頃、通常運転中の伊方1号機において、海水ポンプA,B号機の出口海水管に海水電解液を注入する配管から、わずかな漏えいがあることを保修員が確認した。
外表面の塗装膜および錆を除いたところ、約4mm×約1.5mmの貫通穴が認められるとともに、内表面に茶褐色の錆こぶ(腐食)が認められた。
なお、海水電解装置廻りの配管は、平成12年度から14年度にかけて計画的な取替を実施中であり、当該配管は本年12月に取替予定であった。○原 因
17年間にわたる海水電解装置の運転に伴い、配管内面の塩ビライニングの一部が損傷し、そこから浸入した海水電解液により炭素鋼管が腐食し、貫通に至ったものと推定される。
○対 策
- 当該配管を新品(内面ポリエチレンライニング)に取り替えた。
- 本年12月に計画している海水電解装置の定検時に、未取替部分についても配管の取替を実施する。
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