平成14年10月15日
四国電力株式会社



伊方発電所第1号機タービン発電機架台のひび割れ
に関する安全評価結果等の愛媛県、伊方町への報告について



 題記に関しまして、9月30日、愛媛県、伊方町から、1号機タービン発電機架台のひび割れに関する経緯および自主安全評価結果、発電所建造物に発生している安全確保上評価が必要なひび割れなど三項目について報告するよう文書をいただきました。

 当社といたしましては、愛媛県、伊方町に対する回答を通して広く一般の方々のご理解もいただけるよう伊方発電所内のコンクリート構造物全般について調査等を実施いたしました。

 このほど、その調査結果がまとまりましたので、本日、愛媛県、伊方町に報告書を提出いたしました。




(添付資料1)
 伊方発電所第1号機タービン発電機架台のひび割れに関する安全評価結果等についての概要

(添付資料2)
 伊方発電所第1号機タービン発電機架台のひび割れに関する安全評価結果等について(報告書)



以 上

添付資料1

伊方発電所第1号機タービン発電機架台のひび割れに関する
安全評価結果等についての概要

1.伊方発電所第1号機タービン発電機架台のひび割れに関するこれまでの自主安全評価結果

(1)ひび割れの状況等
 タービン架台のひびはテーブルデッキ部(架台上部)に認められ、ひびの最大長さは約5m、最大幅は約3mmであるが、平成3年頃より新たなひびの発生は僅かであり、ひびの大きな進展は特に見られない。
 さらに、架台変位の経年変化状況は、平成3年頃以降ほぼ収束した状態である。
 
(2)ひび割れの原因
 伊方1号機で用いた骨材は、アルカリ骨材反応を起こす可能性を否定できない安山岩であり、架台周辺はアルカリ骨材反応が促進されやすい環境であったこと等から、ひび割れの原因はアルカリ骨材反応によるコンクリートの劣化であるものと推定された。
 
(3)安全評価結果
a.解析結果
   タービン架台の変形が、架台の強度に与える影響を評価するため、昭和63年にフレーム解析、平成10年に有限要素法解析を実施した。
 平成10年の解析の結果、平成8年当時の架台の伸び及び将来の伸びの予想収束値に対して許容値を満足しており、地震時も含め強度上問題ないことを確認した。
 
b.タービン発電機の安全性
   タービン発電機の運転時の軸振動値に異常は認められず、また、軸方向隙間等の管理状況についても、過去10年間以上、架台の変形による影響は認められていない。
 タービンは設計、製作、据付の段階で十分な管理が行われ、運転段階でも十分管理を行っており壊れる可能性が極めて少なく、また、各種の安全停止機能を有すること等から、タービンミサイルが発生することはない。
 
(4)今後の対応
 タービン発電機の安全性を確保する上で問題は認められないが、広く一般の方々に対する安心感の醸成と長期的な安定運転の観点から以下の対策を実施する。
タービン架台の健全性を維持するための補修(水分混入防止、アルカリ骨材反応の抑制)の実施。
従来から実施している計測に加え、新たに振動測定装置を設置し管理の強化を図る。また、架台周辺の環境条件を把握できるよう、温度および湿度測定装置を設置する。
最新の知見を反映した架台の構造解析を実施する。



2.伊方発電所のコンクリート構造物に発生している安全確保上評価が必要なひび割れ等の調査結果

 今般、愛媛県及び伊方町からの要請も踏まえて、過去の点検記録等の再点検を実施するとともに、伊方発電所内のコンクリート構造物全般について、目視により確認可能な範囲で総点検を実施した結果は下記(1)、(2)のとおりであるが、安全確保上評価が必要なひび割れではなかった。

(1)点検記録等でアルカリ骨材反応と判定された部位の状況

場  所
状  況
伊方1号機起動変圧器基礎 基礎の端部に亀甲状のひび割れが認められるが、変圧器の機能には影響を与えない。
伊方1号機脱気器架台基礎 格子状の軽微なひび割れが認められるが、機器の機能には影響を与えない。
伊方1,2号機放水口壁面 亀甲状のひび割れが認められるが、プラント運転に影響する構造物ではない。
伊方1号機屋外北側擁壁
伊方1,2号機純水装置床面 格子状のひび割れが認められるが、機器の基礎部ではなく、装置の機能には影響を与えない。



(2)今回の総点検で確認されたアルカリ骨材反応の徴候を示す部位の状況

場  所
状  況
伊方1号機タービン建家床面 広範囲に不規則なひび割れが認められるが、機器の基礎部ではなく、機器の機能には影響を与えない。
擁 壁(平ばえ台等) 局所的に線状及び亀甲状のひび割れが認められるが、プラント運転に影響する構造物ではない。
護 岸
防波堤
伊方1,2号機
総合排水処理装置油分離槽
局所的に不規則なひび割れが認められるが、仕上げ材のひび割れと推定され、装置の機能には影響を与えない。

 なお、アルカリ骨材反応に起因しないひび割れ等については、いずれも軽微又は局所的であり、安全確保上問題のないことを確認した。



3.安全協定確認書改訂以前に発見された傷等が現存し、安全確保上その進行の監視等を継続しているものの調査結果

 今回の伊方1号機のタービン架台のひび割れ事例のように、傷等が現存し安全確保上その進行の監視等を継続しているものはない。


添付資料2

伊方発電所第1号機タービン発電機架台のひび割れに関する
安全評価結果等について(報告書)

PDFファイルのダウンロード

第1編 伊方発電所第1号機タービン発電機架台のひび割れに関する安全評価結果等について [PDF27.7KB]
第2編 添付資料1〜12 [PDF1.3MB]
第3編 添付資料13 (非公開)  
第4編 添付資料14 (非公開)  
第5編 添付資料15 [PDF6.2KB]


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