平成14年11月15日
四国電力株式会社
原子力施設にかかる自主点検作業の適切性確保に関する
総点検実施報告書(中間報告)の提出について
当社は、国および愛媛県、伊方町の指示・要請に基づき、伊方発電所の安全確保活動全般に係る総点検を、9月5日に設置した「原子力点検評価委員会」において、9月20日に公表した実施計画に基づき実施しております。
このうち、自主点検作業につきましては、現在までに、原子炉容器、炉内構造物について過去10年間、原子炉冷却材圧力バウンダリ内設備、原子炉格納容器漏えい率検査等について過去3年間の定期検査で実施した作業・検査の適切性を調査いたしましたが、いずれも不正や法令違反となる事案は認められませんでした。また、社内体制・不正防止策につきましては、社内規定類の整備状況等の整理の段階まで実施いたしました。
この総点検結果につきましては、国の指示により「原子力施設にかかる自主点検作業の適切性確保に関する総点検実施報告書(中間報告)」として、本日、国に提出するとともに、安全協定に基づき、愛媛県・伊方町にも提出いたしました。
当社は、今後とも計画的に総点検を実施し、その結果を、国、愛媛県、伊方町に報告することといたします。
(別紙)原子力施設にかかる自主点検作業の適切性確保に関する総点検実施報告書(中間報告)の概要 (添付資料)原子力施設にかかる自主点検作業の適切性確保に関する総点検実施報告書(中間報告)
以 上
原子力施設にかかる自主点検作業の適切性確保に関する
総点検実施報告書(中間報告)の概要
1.実施体制および工程本調査は、原子力部門以外のメンバーからなる「原子力点検評価委員会」が実施した。
また、実施工程は添付資料のとおりである。
2.自主点検作業の適切性に関する調査
(1)調査範囲
今回の中間報告では、以下の範囲について調査を行った。
- 原子炉容器、炉内構造物について過去10年間の定期検査で実施した点検作業
- 原子炉冷却材圧力バウンダリ内設備について過去3年間の定期検査で実施した点検作業
- 過去3年間の定期検査で実施した原子炉格納容器漏えい率検査
- 過去3年間の定期検査で実施した原子炉容器、炉内構造物、原子炉冷却材圧力バウンダリ内設備の主要改造工事および事故故障等による水平展開(注)に伴う点検作業
(注) 事故故障等による水平展開:原子力発電所で事故故障等が発生した場合、他のプラントでも同様の問題がないか調査を行った上で、必要に応じ再発防止対策を講ずることをいう。
(2)調査方法
対象設備に関連する当社保有の点検記録と工事報告書、協力会社保有の工事報告書と工事記録について照合を行い、記載内容に矛盾等があるものを抽出した。また、工事報告書等に記載の設備の不具合・修理事例のうち、非破壊検査で判定基準を超える指示があったもの、機器耐圧部等に目視点検で割れや破損があったもの、機器主要部等の取替を行ったもの等を抽出した。
これらの抽出された事項について、以下の観点より評価を行った。
- 記載内容の矛盾等について
- 記録の作成において改ざんが行われていないこと
- 設備の不具合・修理事例について
- 電気事業法、原子炉等規制法および大臣通達による軽微な故障等の報告基準に基づく国への報告が確実に行われていること
- 電気事業法で定める工事計画等の認可または届出が適切に行われていること
- 電気事業法で定める技術基準に適合していること
(3)調査結果
- 工事報告書等の記載内容について、改ざんは認められなかった。
- 工事報告書に記載の不具合・修理事例について、問題となる事案は認められなかった。
ただし、品質保証上の観点から好ましくない事案として、以下のものがあった。
- 当社保有の点検記録等の検査結果の記入漏れ
- 原子炉容器復旧作業時のスタッドボルトの計画値以上の締め付け
3.社内体制・不正防止策に関する調査
(1)社内体制に関する調査
- 調査方法
自主点検作業が適切に実施される社内体制であるかどうかを以下のとおり調査する。
- 社内規定類が民間基準である「原子力発電所の品質保証指針」に照らして適切かどうかを調査するため、当該品質保証指針の中から自主点検作業に関わる条項を抽出し、社内規定類を確認する際のチェックポイントを計画、実施、検査・試験および記録管理等の項目毎に導出する。そのチェックポイントに対する社内規定類の規定状況を整理するとともに、その記載内容が適切かどうかの評価を行う。
- また、伊方3号機第6回定期検査で実施した自主点検作業の代表例を選定し、上記の社内規定類に従って、適切に実施されているかどうか調査する。
- 調査結果
今回は、上述の調査方法のうち、チェックポイントの導出および社内規定類の規定状況の整理の段階まで実施した。
今後、社内規定類の記載内容を評価するとともに、実際の自主点検作業が適切に実施されていることを確認する。
(2)不正防止策に関する調査
- 調査方法
- 不正防止に関係する過去の事例である「原電工事における燃料輸送容器のデータの改ざん」、「JCO東海事業所における臨界事故」
- 当社の過去のトラブル事例である「伊方発電所3号機定期検査における非常用ディーゼル発電機の不具合」
を対象に不正防止策を抽出し、関係個所の活動状況、社内規定類の整備状況を調査する。
- 調査結果
今回は、上述の調査方法のうち、対象事例に基づく不正防止策の抽出まで実施した。
今後、関係個所の活動状況、社内規定類の整備状況を確認する。
以 上
別紙−添付資料
国向けの実施工程
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※1. 原子炉容器、炉内構造物、原子炉冷却材圧力バウンダリ内設備の過去3年 ※2. 原子炉容器、炉内構造物、原子炉冷却材圧力バウンダリ内設備の過去4年から10年 および、非常用炉心冷却設備、その他1次系設備、タービン他主要2次系設備は過去10年 ※3. 社内規定類の規定状況整理 ※4. 過去の事例に基づく不正防止策の抽出
原子力施設にかかる自主点検作業の適切性確保に関する
総点検実施報告書(中間報告)
PDFファイルのダウンロード
・ 原子力施設にかかる自主点検作業の適切性確保に関する総点検実施報告書(中間報告) [PDF22.3KB] ・ 上記報告書の添付資料(1)〜(12) [PDF102KB]
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