伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成14年10月分)
1.伊方3号機 発電機水素ガス圧力検出回路の不具合について
○事 象
10月18日11時17分、通常運転中の伊方3号機において、発電機内の水素ガス圧力の異常を示す信号が発信した。このため、現地に設置している圧力計を確認したところ、指示値に問題はなく、発電機内の水素ガス圧力は正常であった。
調査の結果、水素ガス圧力信号を中央制御室に伝送する回路の一部(安全保持器)の不具合と判明した。このため、当該安全保持器を新品に取り替え、10月28日14時、当該圧力指示値に異常のないことを確認し、通常状態に復旧した。
○原 因
当該安全保持器単体の偶発的な故障により、圧力検出器用の電源が供給できなくなったことから、水素ガス圧力の検出ができなくなり、警報が発信したものと推定される。
○対 策
| ・ |
当該安全保持器を新品に取り替え、健全性を確認のうえ、復旧した。 |
| ・ |
運転中の故障に対応するため、当該安全保持器の予備品を常備することとした。 |
発電機水素ガス圧力検出回路 概略図

2.伊方1号機 グランド蒸気排風機の自動停止について
○事 象
10月29日10時53分、通常運転中の伊方1号機において、グランド蒸気排風機の定期切り替えに伴い、グランド蒸気排風機Bを起動したところ、当該排風機の異常を示す信号が発信し、当該排風機が自動停止した。このため、運転中であったグランド蒸気排風機Aの運転を継続した。
当該排風機を点検したところ、排風機のケーシング内の吸い込み側に溜まり水が認められた。このため、当該排風機のケーシング内の吸い込み側の溜まり水を抜き取った後、当該排風機を運転して異常のないことを確認し、10月30日15時10分、通常状態に復旧した。
○原 因
当該排風機の停止中において、当該排風機の吸い込み側配管内の水蒸気が外気により冷却され凝縮し、ケーシング内に凝縮水が溜まった状態となっていた。この状態で、排風機を起動したことから凝縮水を吸い込み、当該排風機の負荷が上昇したため、保護装置が作動して自動停止したものと推定される。
○対 策
当該排風機を含む同型の1,2号機のグランド蒸気排風機について、ケーシング内に凝縮水が溜まらないよう、次回定期検査時にケーシング内の吸い込み側に水抜き用の配管を設置する。
グランド蒸気排風機まわり概略系統図

3.伊方1,2号機 埋設ろ過水配管からの漏えいについて
○事 象
10月29日13時55分頃、通常運転中の伊方1、2号機の純水装置エリアにおいて、ろ過水配管の取替工事に伴う掘削作業を実施していたところ、掘削場所付近の埋設ろ過水配管分岐管から漏えいがあることを作業員が発見した。このため、当該配管の隔離を行い、同日14時20分、漏えいを停止した。その後、当該配管を切断して閉止蓋を取り付け、漏えいのないことを確認し、10月30日13時30分、通常状態に復旧した。
○原 因
当該配管は、1号機の運開(昭和52年9月)以前に設置された炭素鋼配管(管内面塗装なし)であり、現在まで取り替えていなかった。このため、当該配管の長手継手溶接線部に沿って線状の腐食が発生・進展し、当該配管を貫通したとものと推定される。
○対 策
| ・ |
漏えい個所近傍のろ過水配管は、当初の計画どおり、11月20日、耐衝撃性および耐腐食性に優れたダクタイル鋳鉄管に取り替えた。その際、今回漏えいが発生した分岐管は廃止した。 |
| ・ |
ろ過水配管のうち、長手継手溶接線部のある炭素鋼配管(管内面塗装なし)について、計画的にダクタイル鋳鉄管もしくはステンレス配管に取り替える。 |
伊方1,2号機ろ過水配管概略系統図

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