今ではすっかり香川・高松の顔として、また憩いの場として市民に親しまれているサンポート高松ですが、ここの建物で使われている冷暖房の熱源は、当社が行う地域熱供給事業により、冷温水という熱の形でお送りしているものです。現在整備が進んでいる「高松サンポート合同庁舎」についても、12月1日より供給を始めますので、ご説明いたします。
地域熱供給とは、熱供給基地でまとめて作った冷水や温水を、導管を通して周辺の複数のビルに供給し、その熱で冷暖房を行う集中型のシステムです。それぞれのビルで個別に熱源設備を設ける必要がないため、
- お客さまは、初期投資の削減が可能で、スペースの有効利用や設備管理の省力化を図ることができるとともに、
- 個々の冷却塔が不要なことなどから都市景観の向上にも役立ち、
- 設備の集中化などにより、省エネルギーに大きな効果を発揮する
といったメリットがあることなどから、全国的に導入が進んでおります。当社でも、高松市番町地区、高松市丸の内・内町地区、そしてサンポート高松地区の3地点において、事業を実施しているところです。
サンポート高松地区における現在の供給先は、「高松港旅客ターミナルビル」、「全日空ホテルクレメント高松」、「高松シンボルタワー」の3つのビルであり、来月より、合同庁舎へも供給を開始いたします。これらのお客さまに供給する熱を作るのが熱供給基地であり、旅客ターミナルビル地下2階に、ヒートポンプ3台、電動ターボ冷凍機2台などの熱源設備を設置しており、ここで運転を監視・制御しています。夏場は5℃の冷水を、冬場は49℃の温水を作り、導管を通してそれぞれのビルにお送りし、お客さまはこれを利用して冷暖房を行います。
なお、サンポート地区の地域熱供給は、全国でも珍しい、海水を未利用エネルギーとして活用したシステムです。高松港から海水を取水し、海水の「大気に比べ夏は冷たく、冬は温かい」という温度差を有効利用して、熱交換に用いたうえで、海水を再び海に戻します。
サンポートと同じ海水利用方式は、現在、「中部国際空港」、「大阪南港」、「福岡県シーサイドももち」の3個所だけであり、サンポートの地域熱供給は、海に囲まれた四国ならではのユニークな取り組みと言えると思います。