○ 平成20年10月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の2件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
公表区分 |
1.伊方発電所 地震感知について |
10月26日 |
- |
C |
2.伊方発電所3号機 非常用ディーゼル発電機空気圧縮機の |
10月29日 |
- |
C |
県の公表区分 A: |
即公表 |
B: |
48時間以内に公表 |
C: |
翌月10日に公表 |
○ 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 |
発生月日 |
発表月日 |
公表区分 |
1. 伊方発電所3号機 タービン建屋内機器用水配管から |
6月20日 |
7月10日 |
C |
2.伊方発電所3号機 プラント計算機システムの不調について |
9月 1日 |
10月10日 |
C |
3. 伊方発電所 雑固体焼却設備排気筒じんあいモニタの |
9月 4日 |
9月 5日 |
B |
4.伊方発電所3号機 復水器内の復水導電率上昇について |
9月 6日 |
9月 7日 |
B |
5.伊方発電所 屋外消火栓フランジ部からの漏水について |
9月12日 |
10月10日 |
C |
6.伊方発電所1,2号機 予備変圧器温度計の警報回路の |
9月13日 |
10月10日 |
C |
7.伊方発電所3号機 湧水系統配管からの漏えいについて |
9月23日 |
10月10日 |
C |
8.伊方発電所 屋外消火配管弁取付部からの漏えいについて |
9月23日 |
10月10日 |
C |
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成20年10月分)
(別紙2)伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成20年9月分他)
- 伊方発電所3号機 タービン建屋内機器用水配管から水漏れについて
- 伊方発電所3号機 プラント計算機システムの不調について
- 伊方発電所 雑固体焼却設備排気筒じんあいモニタの不具合について
- 伊方発電所3号機 復水器内の復水導電率上昇について
- 伊方発電所 屋外消火栓フランジ部からの漏水について
- 伊方発電所1,2号機 予備変圧器温度計の警報回路の不具合について
- 伊方発電所3号機 湧水系統配管からの漏えいについて
- 伊方発電所 屋外消火配管弁取付部からの漏えいについて
以 上
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成20年10月分)
1.伊方発電所 地震感知について
10月26日20時12分頃、伊予灘を震源とする地震が発生し、伊方発電所において5ガルを観測しましたが、設備に異常はなく、伊方発電所の運転に影響はありませんでした。
(参考)伊方発電所の観測ガル数
1号機:感知せず(通常運転中)
2号機:感知せず(通常運転中)
3号機:5ガル (定期検査中)
2.伊方発電所3号機 非常用ディーゼル発電機空気圧縮機の不具合について
10月29日17時08分、第11回定期検査中の伊方発電所3号機において、非常用ディーゼル発電機Bの始動空気だめに圧縮空気を送るための空気圧縮機の圧力が規定より高くなり、安全弁(2段目)が連続動作していることを保修員が確認しました。
調査の結果、当該圧縮機の2段目シリンダへの潤滑油供給配管の逆止弁の動作不良が生じたことから潤滑油が供給されなくなり、2段目シリンダのピストンリングが損傷して隙間ができ、3段目シリンダから2段目シリンダへ、この隙間を通って圧縮空気が漏れたため、2段目系統内の圧力が通常より高くなり、安全弁(2段目)が動作したものと推定されました。
このため、当該逆止弁やピストン等を新品に取り替えて、10月31日13時00分、運転状態に異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
なお、非常用ディーゼル発電機Aが待機中であったことから、事象発生から復旧までの間の非常用電源の確保に問題はありませんでした。
今後、引き続き原因を調査します。
(印刷用) 伊方発電所3号機 非常用ディーゼル発電機B始動空気系統概略図 (PDF-16KB)
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要(平成20年9月分他)
1.伊方発電所3号機 タービン建屋内機器用水配管から水漏れについて
○事 象
6月20日12時30分頃、通常運転中の伊方発電所3号機のタービン建屋1階において、機器の洗浄等に使用する放射能を含まない水が配管溶接部から漏れていることを保修員が確認しました。このため、漏えい水のふき取りを行い、応急補修材による補修を実施し、6月21日14時30分、漏えいのないことを確認し、応急復旧しました。
なお、漏えい量は、約2.4リットルと推定されました。
その後、当該配管をステンレス鋼配管に取り替え、10月2日13時30分、漏えいのないことを確認し、通常状態に復旧しました。
○原 因
調査の結果、当該配管は炭素鋼配管であり、発生した内面腐食が経年的に進展し、貫通に至ったものと推定されました。
○対 策
- 当該配管の管台及び下流配管を耐食性に優れたステンレス鋼配管に取り替えました。
- 機器用水配管のうちプラント機器のシール水配管については、耐食性に優れたステンレス鋼配管への取替を計画的に実施します。

2.伊方発電所3号機 プラント計算機システムの不調について
○事 象
9月1日21時50分頃、通常運転中の伊方発電所3号機において、保修員がプラント計算機システムの予備側の一部に不調があることを確認しました。
調査の結果、プラント計算機システムの予備側の固定ディスク制御装置に不調が確認されたため、プラント計算機システムの一部を停止して当該制御装置の取替を行い、9月3日10時40分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
なお、本事象発生時、プラント計算機の常用側は正常に機能しており、監視機能に支障はなく、プラント計算機システムの一部停止中においては、中央制御室の記録計などにより運転パラメータの監視を行い、この間の運転状態に問題はありませんでした。
○原 因
調査の結果、外観に異常はなく、再現性もなかったことから、予備側の固定ディスク制御装置の一過性の動作不良により、エンジニアリング計算機で計算されたデータを固定ディスクに保存する際の制御ができなくなり、予備側の固定ディスク装置が不調となったものと推定されました。
○対 策
- 予備側の固定ディスク制御装置を予備品に取り替えました。
- 今後とも、固定ディスク制御装置の予備品を常備します。

3.伊方発電所 雑固体焼却設備排気筒じんあいモニタの不具合について
○事 象
運転中の雑固体焼却設備において、焼却炉排気筒じんあいモニタの不調を示す信号が発信されたため、保修員が現場で調査した結果、9月4日14時10分頃、当該モニタの除湿器に不具合があることを確認しました。
その後、同日14時20分に雑固体焼却設備を停止し、調査した結果、当該モニタの除湿器の撹拌機に不調が確認されたため、予備の撹拌機に取り替えて、9月5日11時00分、当該モニタが正常であることを確認して、通常状態に復旧しました。
なお、撹拌機停止中においても、焼却炉排気筒じんあいモニタ及び、ガスモニタの運転に問題はなく、測定値にも異常はありませんでした。
○原 因
調査の結果、平成19年10月に取り替えた後、若干振動が大きい状態で運転を継続し、徐々に振動が増大したことから、モータの固定子と回転子の接触に至ったため、回転時の負荷の増大によりモータの電流が大きくなり、過負荷により停止したものと推定されました。
○対 策
- 当該撹拌機を予備品に取り替えました。
- 今後とも、当該撹拌機の予備品を常備します。
- 今後、撹拌機のモータを取り替えた場合は、取替後の振動測定を行い、振動の大きいものは使用しないこととし、その内容を作業要領書に反映します。

4.伊方発電所3号機 復水器内の復水導電率上昇について
○事 象
9月6日22時08分、第11回定期検査のため出力降下中の伊方発電所3号機において、2次系水質の異常を示す信号が発信されたため、現地確認した結果、復水器ホットウェルAの導電率が上昇していることを確認しました。このため、復水器ホットウェルAの水質を確認した結果、ナトリウムおよび塩素が有意に検出されたことから、微量な海水が混入したものと推定されました。
その後、監視を強化しながら、当初の予定通り、9月7日0時20分に送電を停止して、定期検査を開始しました。
調査の結果、外周細管1本の上面に微小な貫通穴が3箇所確認されたため、当該細管に施栓を行い、11月4日10時00分、海水の漏えいがないことを確認しました。
なお、混入した海水は、復水脱塩装置により除去されるため、運転上および停止操作上、問題はありませんでした。
○原 因
調査の結果、当該細管の外面に多数の小さな点状の孔が認められたこと及び、当該細管の内面には傷などの異常は認められなかったことから、細管外面からの減肉が徐々に進行し、貫通に至ったものと推定されました。
当該細管に多数の点状の孔が発生した原因は、当該箇所は流速の速い管束外周部に配置されており、多数のドレン管等から流入するドレン及び、タービン排気蒸気等の凝縮水や酸化鉄等の硬質粒が、高速の気体とともに細管に衝突し、表面を浸食したものと推定されました。
○対 策
- 当該細管を施栓した後、漏えい検査により漏えいがないことを確認しました。
- 復水器外周細管の高感度渦流探傷検査について、2定期検査に1回の頻度で実施します。

5.伊方発電所 屋外消火栓フランジ部からの漏水について
○事 象
9月12日10時27分頃、伊方発電所において、消火訓練のため消火ポンプを運転していたところ、構内の荷揚岸壁付近の屋外消火栓まわりの地面から水が漏れ出ていることを運転員が確認しました。消火ポンプを停止したところ、漏水は停止しました。
調査の結果、消火栓と消火配管との接続フランジの無機繊維・ゴム等を混合したガスケットが損傷し、漏えいしていたことが確認されたことから、応急措置として当該ガスケットをゴム製ガスケットに取り替え、漏えいのないことを確認し、同日17時09分、消火栓の機能を復旧しました。
その後、当該ガスケットを当初の無機繊維・ゴム等を混合したガスケットに取り替えて、9月17日14時00分、漏えいのないことを確認し、通常状態に復旧しました。
○原 因
調査の結果、過去の消火栓取替時において、当該ガスケットが正常に挿入できていなかったことが否定できず、取替以降の消火訓練等の消火ポンプ運転による配管内の圧力変動の繰り返しによって、当該ガスケットに徐々に亀裂が発生し、今回の消火ポンプの運転により、当該ガスケットが割れて欠落し、漏えいに至ったものと推定されました。
○対 策
- 当該ガスケットを、フランジ面の正しい位置に挿入できるようにフランジ外径と同じ外径で、挿入時の位置ずれが生じないようにフランジボルトを通す穴を開けたガスケットに変更するとともに、ガスケットの厚さを従来の1.5mmから3mmのものに変更し、耐久性の向上を図りました。
- 類似の消火栓について、総点検を行った結果、水漏れ等の異常は確認されませんでした。今後は、予備のフランジガスケットを常備するとともに、当該屋外消火用水配管系統については、平成22年度の地上化にあわせ、より信頼度を向上させた消火設備に改良することとしています。

6.伊方発電所1,2号機 予備変圧器温度計の警報回路の不具合について
○事 象
9月13日11時30分頃、通常運転中の伊方発電所1,2号機の中央制御室において、待機中の予備変圧器の温度高を示す信号が発信し、保修員が確認した結果、現地の警報回路内蔵のダイヤル温度計に不具合があることを確認しました。
調査の結果、予備変圧器の温度は正常であり、当該温度計の内部警報回路に不具合を確認したため、当該温度計を新品に取り替え、9月18日11時00分、異常のないことを確認し、通常状態に復旧しました。
なお、当該変圧器内の油温度は、別途設置している警報機能付き温度記録計により監視が可能であり、当該変圧器の機能に問題はありませんでした。
○原 因
調査の結果、運転管理用のマーキングの取付のために、当該温度計の前面カバーを取り外し、再度取り付けした際、前面カバーの締付が不十分であり、長期間風雨に直接曝されていたことから、内部に浸入した塩分を含んだ雨水により、警報リード接続端子部が腐食し、端子部への水滴の付着及び、腐食物の蓄積等などにより端子間が短絡し、警報発信したものと推定されました。
○対 策
- 当該温度計を新品に取り替えました。
- ダイヤル温度計の前面カバー取外後の復旧時には、前面カバーを確実に締め付けるよう関係者に周知しました。

7.伊方発電所3号機 湧水系統配管からの漏えいについて
○事 象
9月23日11時52分頃、定期検査中の伊方発電所3号機の湧水ピットエリア(非管理区域)において、運転員が湧水ピットポンプAの試運転後の現場確認を行っていたところ、床に水が漏れていることを確認しました。
調査の結果、湧水ピットに溜まった湧き水を海水管に排水するための配管に2箇所の貫通穴(約2cm×約1cmの楕円形、直径約2cmの円形)が確認されました。
その後、当該配管を取り替え、9月24日11時15分、漏えいのないことを確認し、通常状態に復旧しました。
○原 因
調査の結果、当該配管は腐食しにくい加工を施した炭素鋼配管であったが、経年使用により耐食性が低下し、常時使用していないA系統の当該配管の垂直部に溜まった溜り水により、徐々に腐食が進行して貫通し、漏えいに至ったものと推定されました。
○対 策
- A,B系統の配管内面に茶褐色の錆が認められた箇所を、耐食性に優れたポリエチレンライニング配管に取り替えました。
- 伊方発電所2号機の湧水ピット排水ラインについても、今後、計画的に耐食性に優れた内面ポリエチレンライニング配管に取り替えます。なお、伊方発電所1号機の湧水ピット排水ラインについては、既に内面ポリエチレンライニング配管に取り替えています。

8.伊方発電所 屋外消火配管弁取付部からの漏えいについて
○事 象
9月23日16時05分頃、伊方発電所において、9月12日に発生した1号機タービン建屋での2次系排水の冷却水配管からの漏えい事象の復旧確認のために消火ポンプを運転したところ、構内の荷揚岸壁付近の消火配管の弁が設置されているマンホールから水が漏れ出ていることを保修員が確認しました。岸壁付近の消火配管を隔離した結果、水の漏えいは停止しました。
調査の結果、当該弁を取り付けている消火配管の差し込み部が位置ずれしていることが確認されました。
その後、当該消火配管は消火用として使用していないことから、接続が外れた配管を取り外し、閉止フランジを取り付け、9月24日11時15分、漏えいのないことを確認し、通常状態に復旧しました。
○原 因
調査の結果、弁を取り付けている配管と母管の継手には押輪が用いられていたが、経年使用により当該継手のガスケットの押し付け力が徐々に低下し、今回の消火ポンプ運転に伴って、配管が母管から抜け出して差し込み部の位置がずれたために、漏えいに至ったものと推定されました。
○対 策
- 差し込み部の位置がずれた配管および弁は取り外し、閉止フランジを取り付けました。
- 埋設されていない箇所に押輪を使用する場合は、配管の抜け止め防止処置を徹底するよう関係者に周知しました。

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