クックチルシステムとは
「大量調理・提供」向けに開発された保存方法。真空調理のようなパッキンをせずに、衛生的かつ計画的な大量調理を可能にします。
加熱調理した食品を急速冷却して細菌の繁殖を抑え、再加熱して提供するのがクックチル・システム。当日の調理が困難なメニューや大量の料理を一定の品質で提供する場合に最適です。
HACCPに準拠した衛生管理のもと、安全な計画調理が可能なため、事業所給食や病院給食の院外調理施設などの大量調理施設でのメリットが高く、さまざまな施設での導入が進んでいます。
クックチルシステムの定義
計画的に加熱調理した食品を急速冷却、チルド(0~3℃)状態で低温保存し、必要時に再加熱して提供するシステム。調理法ではなく、食品・料理の保存方法の一種。食品の冷却方法の違いによって、冷風の出る急速冷却器(ブラストチラー)で冷却をするブラストチラー方式と、冷却水が循環するタンクにパック詰めした料理を入れタンクを回転させながら料理を冷却するタンブルチラー方式の二つに分類される。クックフリーズの場合、工程はクックチルシステムのブラストチラー方式と同じだが、冷却と保存の温度を、食品の芯温ベース-18℃以下とする。
(出典/「新調理システムのすべて」 新調理システム推進協会 日経BP社)
管理をする上でのメリット
- ・調理のマニュアル化ができ、品質のばらつきを防止します。
- ・計画生産が可能になるので、食材のロスが少なくなります。
- ・アイドルタイムを利用した調理作業の平準化ができます。
- ・HACCPに準拠した衛生管理が可能になります。
クックチルシステム(ブラストチラー方式)の基本プロセス
工程 | 使用機器類 | 注意事項 |
素材 | ・食材入荷検収…官能・細菌検査 ・高鮮度素材…芯温検査 |
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(食品保存) | 冷蔵庫/冷凍庫/ 高湿チルド庫等 |
鮮度管理 |
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下拵え/下味付け | 各種調理機器 | 衛生管理…二次汚染の防止 |
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一次加熱 | スチコン* | TT管理 |
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(ポートションカット) | 30分以内に作業終了 | |
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急速冷却 | ブラストチラー | 加熱後30分以内に開始。さらに90分以内に、芯温を0~3℃以下に下げる |
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冷蔵保存 | 高湿チルド庫/ 冷蔵庫等 |
品質管理…3℃以下でチルド保存 |
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(配送) | チルド配送 | |
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再加熱 | スチコン*/湯煎器等 | TT管理 |
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(盛り付け) (ホールディング) |
芯温65℃以上 | |
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提供 | 再加熱後2時間以内に喫食 |
*スチコン=スチームコンベクションオーブン
(出典/「新調理システムのすべて」 新調理システム推進協会 日経BP社)