~LPG式から誘導加熱(IH)への変更により生産性・品質向上を実現~
株式会社 田窪工業所 西条工場さまは、1946年3月に創業し、物置や駐輪場等の製造販売を手掛けており、材料調達から製造、販売、営業まで一貫した体制を取っております。また、特注品にも対応が可能で顧客のニーズに応じた小回りの良さも同社の強みであり、売上高の60%を占める物置は市場シェアの30%程度を占め、近年高まりつつある防災意識の高まりに対し、同社は確かな技術力で応えております。
同社では、屋外で使用される駐輪場の柱などへは、耐候性や防錆機能を付与するため粉体塗装を施しております。塗装後の乾燥工程では、塗膜と鋼材の密着を強くするため高温の雰囲気下でワークを温度保持する必要があり、ワークによっては板厚が薄物、厚物と様々で、厚物乾燥時は炉内をより高温に上げ、かつワークを運搬するコンベアースピードを遅くすることで、高品質な乾燥を行っておりました。更に、厚物のワークは、重量が重いことからセッティングに時間を要し、乾燥炉の稼働時間が長くなり、熱源のLPG使用量が多くなるという課題を抱えていました。そこで、これらの課題を解決するため、誘導加熱式の予熱装置により、厚物の乾燥時は、乾燥炉に入る前に、事前にワークを誘導加熱式予熱装置により予熱しておくことで、スピードを落とすことなく高品質な塗装乾燥を実現できることが導入の決め手でした。
当工場は地球に優しいモノづくりを行うため、エネルギーとCO2排出の削減に日々取り組んできました。エネルギーとCO2排出の削減対策を検討していたところ、塗料メー力一さまより誘導加熱式の予熱装置をご紹介いただき導入致しました。ワーク乾燥炉内の滞在時間が29%削減できたことで、1次エネルギーを4%削減できました。四国電力(株)には、設備導入前後のフォローをしていただき、ワークへの伝熱状況の見える化ができました。今回の誘導加熱装置の導入により、環境への負担軽減と品質向上を図れたことに大変満足しています。より一層の努力を重ね地球に優しいモノづくりを行っていきたいと考えています。