今回は、新春スペシャルとして、2019年(平成31)9月号でご紹介した
「むろと廃校水族館(以下:廃校水族館)」を再訪。
コロナ禍で来校者数減などの打撃を受けつつも、次々と楽しみながら
新たな企画を生み出し続けている同館。
今年こそ日常が戻り明るい年になることを祈り、
読むだけでクスッと笑えて元気になれる取り組みを紹介する。
今こそハイッ行こう
元気が出る水族館!!
むろと廃校水族館

屋外プールをはじめ、跳び箱なども水槽に変身。階段横に立つ案内役はリアルな人体模型と、かつての学校設備や備品が大活躍。かと思えば、図書館の一角ではプリントシール機「ブリクラ」が本棚に擬態し、玄関脇の石碑は実は自動販売機。おみくじは「廃校水族館」にまつわるオリジナルの内容と、随所に遊び心が盛り込まれている。

コロナ禍の昨年6月
来校者40万人を達成!


長い間、使われないままだった校舎にもう一度、子どもたちの声を響かせたいとの思いで、2018年(平成30)に開校した「廃校水族館」。地元・室戸の魚やカメなどが悠々と泳ぐ廃校水族館は、「こんな田舎に人が来るのか」という地元の心配をよそに半年後には来校者10万人を達成。廃校水族館の観光客で周辺の飲食店や観光施設もにぎわうようになった。
1年目には17万人が来校した廃校水族館だったが、2年目の途中からはコロナ禍が直撃。それまでは大勢の観光客が見込めた休日も閑散とした状況が続き、団体客も減少。それでも、「休校すると室戸自体に人が来なくなる」とできるだけ営業を継続した。その結果、4年目の昨年6月には来校者40万人を突破した。
面白がっていると
自然に人は集まる


廃校水族館の館長・若月元樹さんは、大勢の人たちが訪れる要因を「小学校を経験していない大人はほとんどいない。懐かしさが、思いがけない観光客誘致につながったのかも」と話す。廃校水族館に一歩足を踏み入れると、昭和・平成の学校の雰囲気そのもの。黒板や掲示物にはクスッと笑えるような一言が書かれ、教室の後ろにはイカスミで書いた書き初めが貼られるなど、館内のいたるところに遊び心が詰まっている。
ここで紹介しているのは、廃校水族館が企画したイベントや商品の一部。どれもウィットに富んだものばかりだ。全ての企画に共通するのは、人にウケるかどうかではなく、自分たちが面白いと思えること。何かを制作する際には細部まで面白さに徹底してこだわるという。「どんなにウケを狙ったとしても、当たるかどうか分からないから、とにかく自分たちが面白くやる。そうすれば人は興味を持ってくれるし、自然に人が集まる。結局、人は面白いことが好きなんです」と笑う若月館長。地域の中にある面白味を発見し、毎日を面白く楽しむ視点は少しずつだが確実に地域に広がっている。どんな状況も面白がる「廃校水族館」に倣い、コロナという荒波を明るく前向きに乗り越えて、ハイッ行こう!!







(ちなみに今年のカレンダーは寅年ということでオリジナルぬいぐるみ「トラウツボ」付き!)


お問い合わせ
住所 |
高知県室戸市室戸岬町533-2 |
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電話番号 | 0887-22-0815 |
メール | murosui@umigame.org |
SNS | https://twitter.com/murosui_kochi |
定休日 | 年中無休 |
営業時間 | 4月~9月 9:00〜18:00、10月~3月 9:00〜17:00 |
入館料 | 高校生以上:600円、小・中学生:300円、小学生未満は無料/室戸市民割引あり |
撮影のためマスクを外している場合があります