- 平成23年8月に、当社から愛媛県および伊方町に通報連絡した事象は以下の2件です。これらの事象は、法律に基づく報告事象に該当するものではなく、また、環境への放射能の影響もありませんでした。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 県の公表区分 | ||
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8月 13日 | - | C | ||
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8月 18日 | 8月 19日 | B |
- 過去に発生した以下の通報連絡事象について、その後の調査結果を踏まえた原因と対策をとりまとめ、愛媛県および伊方町に報告書を提出いたしました。
事 象 | 発生月日 | 発表月日 | 県の公表区分 | ||
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平成22年 1月8日 |
平成22年 2月10日 |
C | ||
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平成23年 6月30日 |
平成23年 7月8日 |
C |
県の公表区分 | A:即公表 |
B:48時間以内に公表 | |
C:翌月10日に公表 |
(別紙1)伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成23年8月分)
伊方発電所における通報連絡事象の概要(平成23年8月分)
1.伊方発電所1、2号機 発電機出力の変動について
8月13日16時13分頃、送電系統への落雷に伴う系統ショックにより、伊方発電所1、2号機の発電機出力に有意な変動が発生しました。
発電機出力の変動は瞬時に収束し、プラントの運転に影響はありませんでした。
落雷場所 |
発電機出力の変動幅 |
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松山西線
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1号機 |
2.伊方発電所2号機 1次冷却材モニタの指示値の変動について
8月17日、通常運転中の伊方発電所2号機において、1次冷却材モニタの指示値が、通常、約145μSv/h(警報設定値430μSv/h)のところ、約148μSv/hに変動していることを確認したことから、8月18日9時30分、念のため当該モニタの点検を実施することとしました。
点検の結果、当該モニタに異常は確認されませんでしたが、当該モニタの指示値が、変動後の値で推移していることから、近傍に同型式のモニタを設置して複数のモニタで監視を行うとともに、詳細調査を実施しましたが、異常は確認されませんでした。
その後、1次冷却材モニタの指示値は通常の値に戻り、指示値に異常は見られないことから、9月2日13時40分、通常状態に復帰したと判断しました。
なお、1次冷却材の分析を継続して実施していましたが、放射能測定結果より燃料漏えいの兆候は認められませんでした。
(印刷用) 伊方発電所2号機 1次冷却材系統概略図 (PDF-18KB)
伊方発電所における通報連絡事象の報告書概要
1.伊方発電所 岸壁クレーンからの油漏れについて
○事象
平成22年1月8日16時00分頃、伊方発電所の荷揚岸壁に設置しているクレーンの基礎部近傍にある電源中継箱の下部に少量の油漏れがあることを保修員が確認しました。漏れた油は直径約1mの範囲で地面にたまっており、海には流出していないことを確認しました。点検の結果、当該クレーンの旋回軸受下部に不具合があることを確認したことから、当該部を従来の仕様のものに取り替えました。
その後、詳細調査の結果、当該部に設計上想定していなかった集中応力が作用しており、同様の損傷が発生する可能性があることが判明したため、平成23年7月、当該部の仕様を変更したものに再度取り替えました。
○原因
調査の結果、クレーンメーカにおける設計時の発生応力算定において、当該部の形状に起因する応力集中に対する考慮が不十分であったため、当該部に設計上想定した応力を上回る集中応力が作用していたことを確認しました。このため、当該クレーン設置後の比較的早い段階で当該部の円筒根元部外面の表層部にき裂が発生し、運転に伴う繰り返し応力によりき裂が進展して破断に至った結果、軸受部の潤滑油が電線管を通じて電源中継箱より漏えいしたものと推定しました。
○対策
- 当該クレーンの軸受下部の形状および材質について、応力集中を考慮した仕様に変更したものに取り替えるとともに、応力評価を行い、問題のないことを確認しました。
- 設計上、応力集中が懸念される部位について、従来の評価要領に加えて、必要に応じ最新の知見に基づく手法を適用し評価するように標準発注仕様書に追記しました。
- メーカー設計図書の審査において、構造および形状に起因する応力集中が考慮され、適切に評価されていることを確認するように審査手引きに追記しました。
(印刷用) 伊方発電所 岸壁クレーン旋回軸受部概略図 (PDF-24KB)
2.伊方発電所1、2号機 取水口クレーン走行用電動機フレームのひび割れについて
○事象
6月30日16時30分頃、伊方発電所1、2号機取水口(管理区域外)において、定期点検中の取水口クレーンの走行用電動機4台のうち、1台の電動機フレームにひび割れがあることを保修員が確認しました。なお、残りの3台の電動機に同様のひび割れはありませんでした。
その後、当該電動機の修理を行い、8月2日、取水口クレーンの走行確認を実施して異常のないことを確認しました。
○原因
調査の結果、当該電動機基礎部が腐食により著しく減肉していたことを確認しました。このため、基礎部が不安定となり、応力が集中する箇所が発生し、電動機を固定するボルトの締め付けによる力が加わった結果、フレームや脚部にひずみが生じ、ひび割れが発生したと推定しました。
○対策
- 電動機基礎部の補修を行い、電動機フレーム・脚部ひび割れ箇所について溶接を実施し、修繕しました。また、電動機と固定用脚部の隙間にスペーサを挿入して隙間を無くし、無理な締め付け力が加わらないようにしました。
- 腐食対策として、電動機基礎部、脚部の腐食防止用として取替えたライナーを含めた全体にシリコンコーキングを実施し、腐食防止の塗装を実施しました。
- 今後は年次点検の際に、外観点検と運転確認のほか、電動機基礎部の腐食の有無や塗装状態、スペーサの確認等の項目を実施するよう作業要領書へ追記し、関係者へ周知しました。
(印刷用) 伊方1、2号機 取水口クレーン走行用電動機フレーム・脚部概略図 (PDF-47KB)