高需要期 最後の砦阿南発電所


夏や冬の電気を多く必要とする時期は、あらゆる発電所の稼働が求められる、いわば、総力戦。
60年以上にわたり発電を続ける阿南発電所だが、現在も高需要期には供給力を支える最後の砦となる。


石油タンク容量

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【石油】
備蓄性に優れ、需給ひっ迫時など非常時の燃料として有用な石油。タンクは石油の増減に応じ屋根が上下する浮屋根式。周りには、最大容量の110%以上を貯められる防油堤があり、万一の際の油流出を防ぐ。

【石油タンク】

蒸気温度

【3号機ボイラー】
排煙脱硫装置を備え、高硫黄燃料を使用できる日本でも数少ないボイラー。石油を燃焼し、566℃/24.1MPaの高温・高圧の蒸気を生む。ボイラーの寿命は、発電量の上げ下げによる熱負荷の蓄積に大きな影響を受ける。50年あまり変動し続ける電力需要に合わせて稼働してきた3号機ボイラー。今後も安定運転を続けていくためには、適切なメンテナンスが欠かせない。

タービンの翼の枚数

【3号機タービン・発電機】
1975年の運転開始以降、メンテナンスを続け稼働してきたタービン・発電機。軸と約5,000枚の翼で構成されるタービンの回転量は、高経年設備でありながら、毎秒60回。少しの破損が大事故を招く恐れがあるため、定期点検ではすべての翼を目視点検し、異常がないか確認している。

【1・2・4号機タービン・発電機】
昭和40年代、高度成長期の経済発展を支えるために運転を開始。電力供給に大きく貢献してきたが、老朽化に伴い1・2号機を2019年、4号機を20
23年に廃止。

【2号機タービン】 【1号機タービン】

監視計器・操作スイッチの数(3号機)

【中央制御室】
制御盤には、当社の火力発電所の中で最も旧式の計器やスイッチが並ぶ。機器毎の特性やくせを熟知した運転員が操作にあたり、電力の安定供給を支える。

【各種メーター等】

煙突の高さ(3号機)

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【集合煙突】
環境規制値をクリアした排ガスは、高さ200mの集合煙突から排出し、拡散される。なお、排ガスの成分は常時連続測定している。

発電所に常時勤務する人員数

【先輩所員】
後進への技術継承、業務の意義の継承に取り組む。所員一丸、発電所の安定運転を支えるという同じ方向を向き、日々の地道な取り組みを重ねる。

【聴診棒】
持ち手側の球部分を耳の軟骨に当て、先端をモーター等の検査箇所に当てて振動音を聴く。異常音にも種類があり、音に応じて設備不良の種類を推定する。