PROJECT STORY プロジェクトストーリー 03 アラブ首長国連邦 シャルジャ首長国ハムリヤ 火力発電プロジェクト 宮本健輔

急激な発展を遂げるシャルジャ首長国の今後を支える巨大火力発電所。

アラブ首長国連邦(UAE)を構成している7つの首長国のひとつ、シャルジャ首長国のハムリヤ地区では、約1,800MWもの発電容量を誇る巨大なガス火力発電プロジェクトが進んでいます。シャルジャは同じUAEにあるドバイのベッドタウンで、ドバイ発展の影響により急激に人口が増えました。不動産業を中心に産業が栄え、UAEにおけるGDPは、アブダビ首長国、ドバイ首長国に次ぐ第3位。高層ビルの建ち並ぶ近代的な都市へと成長しています。現在稼働している火力発電所の老朽化が進んでいることと、今後の電力需要の増加を考えれば、今回の火力発電所はシャルジャにとって非常に重要なプロジェクトと言えます。1基あたり約600MWの発電容量を持つ発電設備を3基建設する予定で、21年に1基目、22年に2基目、23年に3基目の運転開始を目指しています。

四国電力が持つ火力発電所運営のノウハウが期待されている。

今回のプロジェクトでは、運転開始前より四国電力からテクニカルマネージャーを派遣します。環境保全や安全衛生等の観点から適切に運転されているかの確認と、発電効率の管理が主な業務です。高効率を維持することは環境負荷軽減に貢献するためおよび収益性を維持するために重要なことです。まさに、長年にわたり多くの実績を積んできた四国電力の実力が期待されているのです。私は火力エンジニアであることから、今回のテクニカルマネージャー派遣に関する担当責任者になり、最適な人物を現地で探しました。ところが、この人物採用に苦労しました。文化の異なる十数人の候補者を相手に面接やディスカッションで適性を見極めないといけなかったからです。最終的には「この人なら安心して任せられる」と信じられる人物を見つけることができたので、ほっとしています。今後は、発電設備の試運転などの際には、現地に入り、数週間にわたり、彼をサポートしていくこととなりそうです。

時に意見をぶつけ合いながら、パートナー企業と信頼関係を築く。

今回、私はプロジェクトの組成段階から一貫して関わることができました。リスク評価、パートナーとの協議、契約書の作成など、どれも初めての仕事ばかりで、多くのことを学びました。着工までの協議期間が1年半ほどあり、振り返ればここが一番大変でしたね。例えば、パートナーから提出を求められる資料にも出せるものと出せないものがある。私は、こちらが出せる資料で相手を納得させないといけません。要は様々な協議項目について、お互いに歩み寄れるポイントを見つけていくわけです。そのやりとりには、しばしば悩まされました。でも、何度も意見をぶつけ合ううちに、お互いのことを理解でき、今ではとても良い信頼関係を結べていると感じています。2023年の運転開始までには、なんらかの問題が出てくるかもしれませんが、彼らと一緒なら乗り越えられるはずです。個人的には、今後、別のプロジェクトでも一緒に関わりたいと思っています。

もし困っても仲間がいる。国際事業部の強さはチームワーク。

私にとっては初めての挑戦で、不安の大きな仕事でしたが、ここまで無事に進めることができたのは、同じ部署の仲間が助けてくれたおかげです。国際事業部の強さは、このチームワーク。一人で乗り切れないことがあったとしても、お互いにフォローして助け合っています。今回のプロジェクトでは、私を含めて3名が中心メンバーでした。この3人は、UAEとの5時間の時差をはねのけて問題を解決してきた、いわば戦友です。無事に全面運転開始できた時には、3人で祝杯をあげることを楽しみにしています。

PROFILE / プロフィール 宮本健輔 2011年 入社 2017年 国際事業部異動
PROJECT STORY / プロジェクトストーリー

その他のインタビューをご覧いただけます。

02 オマーン バルカ3・ソハール2 発電プロジェクト01 カタール ラスラファンC 発電・造水プロジェクト