電気の発見
大昔から、科学者たちによってたくさんの実験や研究が行われ、
電気の正体が少しずつ分かってきました。
電気の発見の歴史をたどってみましょう。
静電気の発見
人類が初めて気づいた電気は、静電気でした。古代ギリシャのタレスは、紀元前600年ごろ、「こはく」を布などでこすると、糸くずのような軽いものを引きつけるようになることを発見しました。
©PIXTA
イギリスの物理学者、ギルバートは、こはくを表すギリシャ語の「エレクトロン」から、ものを引きつけるはたらきをすることを「エレクトリック(電気の)」と呼びました。英語で電気を表す「エレクトリシティ(electricity)」は、ここからきています。
ギルバートは、
磁石の研究も行い、
地球が大きな磁石であることを発見した。
雷の正体をつきとめる
アメリカの科学者、ベンジャミン・フランクリンは、1752年に、雷の中でたこをあげる実験をしました。すると、電気がたこ糸を通して伝わり、ライデンびん(電気をためる装置)にたまりました。こうして、雷の正体が電気であることがわかりました。
フランクリンの実験
感電して
命を落とす危険もあるから、
絶対に
まねをしてはいけないよ!
©PIXTA
©PIXTA
カエルのあしの実験
1780年ごろから、イタリアの解剖学者、ガルバーニは、死んだカエルのあしを使った実験をしていました。2種類の金属がカエルのあしにふれると、筋肉が動くのです。ガルバーニは、カエルのあしの中で電気が起こると考え、動物電気と呼びました。この考えは正しくありませんでしたが、後の電池の発明につながる発見となりました。
ガルバーニの実験
カエルのあしの筋肉は、
どうして動いたんだろう。
最初の電池ができる
イタリアの物理学者ボルタは、ガルバーニの実験でカエルのあしが動いたのは、2種類の金属につながったからではないかと考えました。1800年にボルタは、銅と亜鉛の円板と食塩水でぬらした厚紙を組み合わせて電気を発生させる装置を発表しました。これが「ボルタの電たい」と呼ばれる、最初の電池でした。
ボルタの電たい
ガルバーニの説に
反論するために
「ボルタの電たい」が
つくられた。
平賀源内のエレキテル
18世紀半ば、ヨーロッパでは、ものをこすること(まさつ)で静電気をおこす起電機や、それをためておくライデンびんが発明されていました。日本の平賀源内は、こわれたエレキテル(静電気発生装置)を手に入れ、7年かけて修理しました。
エレキテルとそのしくみ
提供:郵政博物館
平賀源内は、
現在の香川県さぬき市志度の生まれ。
当時、エレキテルは、
医療器具としても
用いられていた。
電磁誘導を発見
1820年、デンマークの物理学者エルステッドが、電流が流れている導線の近くで方位磁針が動くことを発見しました。イギリスのファラデーは、電流が磁気をつくるなら、磁気が電気をつくるのではないかと考え、実験をしました。その結果、コイルのそばで磁石を動かすと電気が起こることを発見。この現象を電磁誘導といいます。
エルステッドの実験
ファラデーの実験
「発電の原理」も見よう。