火力発電
現在、日本の電気の7割以上は、火力発電でつくられています。
火をつかうこの発電方法について調べてみましょう。
火力発電のしくみ
火力発電の基本的なしくみは、石油、石炭、天然ガスなどを燃やしてお湯をわかし、そこから得られた蒸気の勢いでタービン・発電機を回転させて電気をつくるというものです。
タービンは、「羽根車」のこと。
1分間に3600回も回転して、
直接つながっている発電機で
電気をつくっているよ。
火力発電のおもな種類には
「汽力発電」
「ガスタービン発電」
「コンバインドサイクル発電」
があるよ。
汽力発電
石油、石炭などをボイラーで燃やした熱で高温・高圧の蒸気をつくり、そのエネルギーで蒸気タービンを回し、発電機で電気をつくります。
火力発電のなかでも、主力となる種類です。
汽力発電のしくみ
蒸気の力で
タービンを回す方法だ。
ガスタービン発電
灯油や軽油、LNG(液化天然ガス)などの燃料を燃やして温度の高い燃焼ガスをつくり、そのエネルギーでガスタービンを回し、電気をつくります。小型で高い出力を得られるという利点があります。
ガスタービン発電のしくみ
蒸気ではなく、
燃焼ガスの力で
タービンを
回しているんだ。
コンバインドサイクル発電
ガスタービンを回したあとの残りのエネルギーで蒸気タービンを回す、効率のよい種類です。2つのタービンを一度に回すので、同じ量の燃料でも、ほかの火力発電よりたくさんの電気をつくることができます。
コンバインドサイクル発電のしくみ
四国電力では、
坂出発電所1、2号機が、
この種類だ。
火力発電の特ちょう
火力発電には、次のような特ちょうがあります。
- 火力発電の得意なこと
- 安定してたくさんの電気をつくることができる。
- 出力の調整がしやすい。
- 火力発電の問題になること
- 発電するときに、二酸化炭素を出す。
- 燃料のほとんどを輸入にたよっている。
- 燃料がいつかなくなるおそれがある。
四国で使われる電気の約5割は火力発電によるものです。
また、季節や時間帯によって大きく変わる電力使用にあわせて電気をつくる調整役であるとともに、発電量が不安定な太陽光・風力発電のバックアップも担当しています。
四国にある火力発電所
火力発電と環境
大気汚染を防ぐ
石油や石炭などを燃やすと、硫黄酸化物、窒素酸化物などが発生します。火力発電所では、それらをできるだけ減らすように、さまざまな環境対策をしています。
電気集じん装置
排煙脱硫装置
排煙脱硝装置
おもな国の発電電力量あたりのSOxとNOxの量(火力発電所)
出典:原子力・エネルギー図面集
日本の火力発電所の
環境対策は、
最新技術をとり入れていることもあって、
世界最高レベルだ。
石炭灰の活用
石炭を燃料とする火力発電所では、石炭を燃やしたあとの灰が発生します。その石炭灰を有効に利用するための研究が進められ、さまざまな分野で使われるようになっています。
火力発電所から出る石炭灰
コンクリートに混ぜる
提供:四国地方整備局
セメントに混ぜる
提供:四国地方整備局
道路の舗装材にする
グラウンドなどの土に混ぜる
みんなのすぐ近くでも、
使われているかも?