火力発電所の特徴と役割
電力需要は時間帯や季節で大きく変動します。また供給側においても、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、天候の影響によって発電出力が大きく変動します。
昼間や夏季など電気の需要が集中するとき、また再生可能エネルギーの発電出力が増減するときは、柔軟な発電出力の調整が可能な火力発電を活用して電気の需要と供給のバランスを保ち、周波数や電圧が安定した電気の供給に努めています。
電力需要に合わせた電源の組合せイメージ図(年平均)
揚水式水力・・・余剰電力で上池に汲み上げた水を下池に放水して発電する方式
貯水池式水力・・・山間のダムに貯めておいた水を流して発電する方式
自流式水力・・・川の流れをそのまま利用して発電する方式
火力発電所のしくみ
汽力発電方式
発電所に運ばれた石油や石炭といった燃料は、タンクやサイロに一時的に貯蔵されます。これらは、ポンプやベルトコンベヤでボイラーへ送られ、高温で燃焼し、水が加熱され高温高圧の蒸気が作られます。
この蒸気は、タービンに送られ、タービンを高速で回転させ、この回転が発電機に伝えられ、電気が作られます。

コンバインドサイクル発電方式
コンバインドサイクル発電方式は、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた複合発電方式であり、LNGを気化した天然ガスを燃やしてガスタービンで発電した後、その高温ガスを排熱回収ボイラーに導き蒸気を発生させて蒸気タービンで発電することにより、高い発電効率を得ることができます。

火力発電所の主な設備
発電所の頭脳部。運転に必要な監視計器や操作装置が設置されています。自動制御装置により、ポンプやファンなどの機器を遠隔制御し、安全で効率の良い運転を行います。ここで働く運転員は、2 交替制で勤務しており、設備の状況の監視や発電所のパトロールに当たっています。
燃料の石炭・石油・ガス・木質バイオマスは高温のボイラーで燃焼され、これにより高温・高圧の蒸気が発生し、蒸気タービンに送られます。
ボイラーから送られてきた蒸気は、タービンを回転させ、それに直結した発電機で電気が作られます。
排煙中の窒素酸化物(NOx:ノックス)を取り除きます。
排煙中のばいじん(細かなチリ)を取り除きます。
排煙中の硫黄酸化物(SO2:二酸化硫黄)を取り除きます。
石炭船より受け入れられる石炭は、ベルトコンベヤで石炭サイロへ送られ、一時的に貯蔵されます。
石油タンカーより受け入れられる石油は、パイプラインで石油タンクへ送られ、一時的に貯蔵されます。
石炭船で運ばれてきた石炭を、連続的に陸揚げします。
ガスタービンからの高温の排ガスの熱を利用し、蒸気を発生させます。発生した蒸気は蒸気タービンに送られます。
圧縮した空気の中で燃料を燃やし高温・高圧のガスを発生させ、その圧力でガスタービンを回し、直結された発電機で電気が作られます。