主要な公的機関の見解
世界保健機関(WHO)や経済産業省などの公的機関が、様々な調査研究を総合的に評価して、「居住環境で生じる電磁界により人の健康に有害な影響があるという証拠は認められない」との見解を示しています。

磁界の健康影響に対する各国主要機関の評価
機関名と文献名称 | 結論 | |
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1998年 | 国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP) 「時間変化する電界、磁界および電磁界へのばく露のためのガイドライン(300GHzまで)」 <参考レベル> 職業者:416.7μT(60Hz) 公 衆:83.3μT(60Hz) |
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2001年 | 国際がん研究機関(IARC) 「人への発がん性リスク評価に関するモノグラフ 静的及び超低周波電磁界」 |
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2007年 | 世界保健機関(WHO) 「ファクトシート322(電磁界と公衆衛生 超低周波の電界及び磁界へのばく露)」 「環境保健基準238(超低周波電磁界)」 |
100μTより遥かに高いレベルの磁界による短期的な影響は、国際ガイドライン(ICNIRP等)の規制値を守ることで防ぐことができる。 0.3~0.4μTといった低いレベルの磁界の長期的なばく露と小児白血病との関連についての証拠が弱いことから、以下を推奨。
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2008年 | 経済産業省 「電力設備電磁界対策WG報告書」 |
国および電気事業者に対して、WHOのファクトシート322に示された見解に従って、以下の事項に取り組むことを提言。
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2010年(11月) | 国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP) 「時間変化する電界及び磁界へのばく露制限に関するガイドライン(1Hz~100kHz)」 |
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2010年(12月) | 経済産業省 第25回電力安全小委員会 |
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各国主要公的機関の説明
世界保健機関(WHO)
国際連合の中の専門機関の一つで1948年に設立。世界各国の保健衛生に関する事項全般を活動内容としている。
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)
ICNIRPは国際放射線防護学会(IRPA)が1977年に設置した国際非電離放射線委員会(IRPA/INIRC)が1992年にIRPAから独立したものであり、世界保健機関(WHO)、国際労働機関(ILO)などの国際機関と協力する中立の非政府組織である。
国際がん研究機関(IARC)
世界保健機関(WHO)の付属機関として、人への化学物質の発がんリスク評価を行うために1965年に発足した国際組織。個々の化学物質のみならず、混合物や放射線、ウイルスなどの化学物質でないものや労働環境も評価している。