2019.04
第5弾太陽光の発電を止めた!ってなんなん?
「太陽光出力制御」…って、
さっそくまた漢字ばっかりやん!
平たく言えば、
「太陽光の発電を止める」ってことなんか?
今回はな、おんなじこと思った
読者の方から
お手紙もらったから、
私、心強いんやー!


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これや、これ!私も同感やで。
ヨンデンさん、
これいったいどういうことなん? -
ご質問、ありがとうございます!確かに昨年の秋、九州電力が全国で初めて太陽光発電の大規模な制御を行い、ニュースになりました。止めた理由は…電力の需給バランスが崩れて停電になるのを防ぐためでした。
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じゅきゅ……だ、大丈夫やで、
ちゃんと覚えてんで。
電気はためられへんから、
使う量とつくる量をぴったり合わせなあかん。
そうしな停電する。
これ、もはや合言葉やな。 -
さすがです。このとき九州では広い地域で晴れが続く見込みでした。そうなると太陽光で電気がたくさんつくれるわけですが、一方で、エアコンをあまり使わない季節の休日で多くの企業も休んでいたため、必要な電気が少なくなる見込みでもありました。
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つくる電気の量の方が、
上回ってしまうってことやな。 -
需要と供給のバランス
そのとおりです。今後は、九州だけでなく四国でも、電気があまり使われない晴れの日、たとえば5月の休日の昼間などに太陽光発電を止めてもらう可能性は低いですが、ゼロとは言えません。
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ふーん。
でもな、やっぱりいきなり
「太陽光止めろ~」って言われると、
せっかく太陽光発電してる
お家はええ気しーひんで。 -
そうですね。誤解されている方もいるのですが、この「太陽光の出力制御」は、Yさんのような一般のご家庭は対象外で、事前にお知らせしている「発電事業者」さんに対して限定のお願いなんです。制御をお願いする発電事業者さんにはもともと、「一時停止」の可能性があるという条件で発電してもらっています。
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へ、一般家庭でないの?
でもな、太陽光止めてもらう
くらいやったら
火力を先に止めたらええやん。 -
火力はもちろん先に発電を減らします。
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あれ~、そうなん?
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はい。電力が余っているとき、まずは私たちの火力発電所等の出力をできる限り落とします。と同時に、揚水(ようすい)発電所で発電用に水をくみ上げることで電気を使います。そして、本州へも電気を送ります。ここまでが、私たちにできることです。そのあとバイオマス(一部)・太陽光・風力といった順番で制御をお願いすることになります。この順番はあらかじめ国のルールで決められています。
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太陽光ばっかり
いじめられてるんかと思ったわ。
ほな、原子力は? -
原子力発電は、太陽光や風力でも足りない時に制御することになっています。
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そういうことか。
でも、いきなり出力制御って言われたら、
「発電事業者」さんたちも
納得できひんやろなー? -
そこも誤解があるのですが、少しの時間の出力制御を受け入れてもらうことが、再エネの電気を増やすことにつながるのです。
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ん?なんていうた?
イミワカランゾ・・・。 -
次の図を見てください。電気の使用量が少ない日に出力制御をしなければ、太陽光の発電量は薄い緑の部分にとどまりますが、出力制御を前提とすることで濃い緑の部分の発電量を増やせるんですよ。
再エネ発電量と出力制御の関係イメージ図
(電気の使用量が少ない日) -
ふーん。
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たとえて言うなら、「年間パスポート」で映画を観ようとした場合、「いつでも絶対に観ることができます」って条件だと50人しかパスポートを買えないけれど、「ごく稀にですが、満席で観られない場合があります」って条件だと80人が買うことができ、その結果、1年を通してみるとより多くの人が映画を観ることができるってイメージですね。
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なるほど~。
太陽光の「出力制御」は、
再エネの受け入れを増やすために
必要ってわけやね。
再エネを減らしたいんかと
勘違いしてたけど、実は違ったんやな!