2019.08

第6弾火力発電って、ほんまのところどうなん？

再エネとか原子力のことは、
少しずつ勉強してきたけど、
火力発電のことって、あんまりよー分からん。
なんか体に悪そうなガスやCO₂出してる
イメージやけど、どうなん？
ヨンデンさん、教えてー！

火力発電ってやっぱり環境に
良くないんちゃうの？

あまり知られていませんが、日本の火力発電所は、「環境対策が世界トップクラス」といわれているんです。

え…、煙突から黒っぽい煙が
出ているイメージやねんけど…。

それは「今は昔」ですね。SO_X（硫黄酸化物）とかNO_X（窒素酸化物）って聞いたことありますか？ 自動車の排気ガスなどにも含まれていて、ぜん息や酸性雨の原因になる大気汚染物質のことですが、そういった有害な物質には排出規制がかけられており、火力発電所の煙突から出る煙もきちんと浄化処理されています。気温の関係で白く見えることがあるのは、実は水蒸気なんですよ。また、諸外国と比べると、SO_XやNO_Xの日本の排出量はこんなに少なくなっています。

主な国の発電電力量あたりのSO_X（硫黄酸化物）とNO_X（窒素酸化物）の排出量

そうなん？　知らんかったわ。
あれ、CO₂は？

はい。環境対策はある程度進んでいるのですが、原子力や太陽光などと異なり、火力発電は化石燃料を燃やす必要があるので、どうしてもCO₂を排出してしまいます。

そうやんな…。これ以上、
地球温暖化が進んだらアカンよな…。
やっぱり火力発電
減らした方がええんちゃう？

確かに、化石燃料を使った発電はできるだけ減らすことが大切ですが、すぐにとは言えないのが現状です。第3弾でもご説明しましたが、「日本のエネルギー自給率は8%」です。

各国のエネルギー自給率比較

今回は、他の国とも比べてみましょう。

なんか、日本だけ
ダントツに低いねんな…。

そうですね。ヨーロッパのような周囲と地続きの国々は、お互いに電力の売り買いができるので、必要とする電力を必ずしも国内でつくる必要がありません。一方で、日本は島国なので、国内で使用する電気は自分たちで確保する必要があります。

そうやった。
それで国が純国産エネルギーの
太陽光や風力を
どんどん増やしてるんやった。

はい。しかしながら、天候に大きく左右される再エネの導入が進めば進むほど、その大きな変動をカバーして需給バランスを調整するためには、出力変更が容易な火力発電に頼らざるを得ないのが現状です。

電力需要と発電量のイメージ

こうやって見ると、現状において、火力発電は、電力の安定供給に欠かせない重要な役割を果たしているといえます。

なるほど。
でも燃料は輸入に頼ってるし…
だからバランスが大事…やったっけ、
でもCO₂が…って、
難しいわ火力！！

難しいついでと言ってはなんですが、ひとくちに火力といってもいろいろな発電方法があります。せっかくですので、次回は、火力発電にもっと踏み込んでご説明します。